私も今までに数多くの除霊や浄霊を行ってきた中で、憑依した不浄霊の体験が憑依された方の心身に出てしまったケースは数多く見てきました。たとえば、お酒を浴びるほど飲んで体を壊して亡くなった方の霊に憑かれた方が、今まで下戸だったのに突然、アルコール中毒のようにお酒を飲み始めてしまったケース。他にも戦争中に自分の近くで爆弾が破裂して、右腕を吹き飛ばされて亡くなった兵隊の霊に憑かれた方が、突然、右腕が動かなくなってしまったケース。目の病気にかかり視力が無くなり、失明して自殺した霊に憑かれた方が、同じように原因不明のまま視力が下がり続けてしまったケースなどです。

 

恐怖症に特化しても、霊の影響から恐怖症を引き起こしてしまったケースは数多くあります。

戦で槍に突き刺されて亡くなった霊に憑依された方が、尖端恐怖症になってしまったケース。餓死して亡くなった霊に憑かれた方が、食べても食べても満腹感が得られずに、短期間で50キロ以上、体重を増やしてしまったケース。川で溺れて溺死した霊に憑かれてしまった方が、急に水が怖くなって水で顔を洗うことができなくなってしまったケース。交通事故で車にひかれて亡くなった霊に憑かれた方が、バスや乗用車に乗ると、すぐに吐き気がして車に乗ることができなくなってしまったケース。戦争中に南方の戦線で飲み水が無くなり、死んだ兵士の霊に憑かれた方は、毎日水やジュースを5リットル以上飲まないと我慢できなくなってしまったケース。災害で建物に押しつぶされて亡くなった霊に憑かれた方が、大型重機や観音像・大仏像など大きな構造物に恐怖を感じるようになってしまったケース。戦争中に敵の捕虜になり、医師から人体実験を繰り返されて亡くなった霊に憑かれた方が、病院の診察室や病室に恐怖を感じるようになってしまったケースなどです。

 

子どものころに、悪いことをすると親や先生から、狭い部屋に閉じ込められてお説教をされたという方がいました。この方にとってそれは異常なほどの恐怖を感じるもので、大人になると閉所恐怖症になっていました。自分でもどうしてそこまで怖いのか理由が分からないと話していましたが、除霊を行ってその理由は明確になりました。私が祓った不浄霊は、狭い部屋に何日間も監禁されて、水や食事も与えられないまま、恐怖の中で餓死していたのです。この部屋から何とか逃げ出そうとしたこの不浄霊の拳は、壁や扉をずっと叩き続けたために、骨が折れて肉も裂けていました。そこまで強い怒りや悲しみを感じながら亡くなったこの霊の思いが憑依したこの方に伝わっていたのです。

 

私自身、霊の影響でパニック障害になってしまい、一時期は飛行機や車に乗ることができませんでした。飛行機に乗っているときに、何かのきっかけで心の中に不安の芽ができると、それは一気に増大します。まだ、着陸するまでに2時間以上も時間がかかるのに、呼吸が苦しくなって飛行機の窓に顔をくっつけて息をした時もあります。車を運転中に長いトンネルに入ると、だんだん不安が広がって動悸やめまいがして息が苦しくなります。必死の思いで非常停止帯まで車を運転してしばらくそこで休みました。

 

恐怖症で言えば、大人になってから“高所恐怖症”になった気がします。これはそれほどひどいものではないのですが、マンション等の高層階の廊下を歩くとしばしば動悸がして不安が広がります。ですから高い場所では出来るだけ下を見ないようにしています。高層階にあるオフィスや店舗に入ったときも、できるだけ遠くの景色を見るようにして、眼下へ視線を移しません。時々感じるのですが、前世かその前の過去世で、崖のような高いところから落ちているような記憶があります。そんな光景は夢のように時々頭に思い浮かびます。過去世の記憶が薄く意識の中に残っているのだと思います。