多くの人は自分で意識しているか、していないかに関わらず、何かの恐怖症を持っています。良く知られたものでは、「高所恐怖症」や「高温恐怖症」といったものがあります。少し珍しいものでは「携帯電話不携帯恐怖症」や「13日の金曜日恐怖症」「道路横断恐怖症」といったものもあります。Wikipediaで「恐怖症」を検索すると恐怖症の一覧が出てきます。そこには具体的に約200の恐怖症が書かれています。

 

ただ、恐怖症になった理由は人によってさまざまです。肉体的、または精神的に衝撃を受けたことによるトラウマに起因していることがあります。何かの心理的な要因によって恐怖症になった人もいます。前世の記憶や霊的な要因で恐怖症を抱えてしまった方もいます。

 

以前、浄霊を行った時に、どうして後世にまで強く残る因縁因果ができてしまったのかを霊視したことがあります。するとひどい拷問を受けて亡くなった人が出てきました。その人はコンクリートで囲まれた狭い部屋に監禁されていました。ロープで縛られて抵抗できない状態にされて、複数の男たちに殴られ、蹴られて、見る見るうちに顔はバスケットボールのように赤黒く腫れあがっていきました。鉄パイプやコンクリートブロックで体を何度も叩かれて、肋骨は折れて胸から腹部の形が変形しています。そして最後には無理やり目を開かされて、アイスピックのようなもので両目を突き刺されたあとに、ガソリンをかけられて焼死しています。体には刺青が入っていましたから、暴力団がらみのリンチに遭ったと思われます。これだけ凄惨なリンチを長時間に渡って受けた男性の恨みは相当に強いものです。このリンチを主導している人間を強く恨んで、

「俺と同じ思いをお前の子孫にさせてやる」

と念じながら命を落としました。

 

私に浄霊を依頼してきた方は、この事件の加害者の子孫にあたります。身内には事件や事故、そして自殺で死んだ人が何人もいます。とにかく男子で長く生きた人はいません。また、独身者が多く子孫もいないために、家系もこの人の代で断絶する可能もあります。

 

私は浄霊に当たって、霊視で観えた光景を伝えて、

「この状況を踏まえて、私たちと一緒にこの不浄霊の成仏を祈ってください」

と話しました。するとこの方は納得したように私に話し始めました。

「実は私は尖端恐怖症で、先の尖ったものをしっかりと見ることができません。また、炎を見るのもものすごく怖くて、キャンプファイヤーの時には、炎から視線をそらしてずっと地面だけを見ていました。でも、子供のころからそのようなトラウマに遭った記憶が無いのでどうしてそうなってしまったのか、自分でも分かりませんでした」

 

私はこの方に伝えました。

「リンチを受けて死んだ男性の霊とあなたは、霊的な波長がとても近いのです。加害者の子孫で霊的な波長も近ければ、この不浄霊は容易にあなたに憑依してくるでしょう。憑依されている時間は、この霊が生きていた時に見たことや体験したことが、あなたの心身に伝わっていきます。あなたが自分でも理由が分からない中で、尖ったものや炎に恐怖を感じていたのは、憑依によって不浄霊が体験したことがあなたに投影されていたからです」

 

このような形で恐怖症になることもあります。ですから浄霊によってこの不浄霊をあの世へ上げた後、この方の恐怖症はうそのように解消されたのです。(2)へ続く。