私は毎日、たくさんの方からさまざまな相談を受けています。その中に恋愛や結婚について尋ねられることもよくあります。今、パートナーがいる方は、二人の関係が将来どのようになっていくのかが気になりますし、今、パートナーがいない人は、いつ・どのような方との出会いがあるのかを尋ねてきます。先日もいわゆる“赤い糸”で結ばれている方が、自分にいるのかどうか、単刀直入に質問されました。

 

私は「赤い糸で結ばれている方」=「運命的に必ず出会い、愛し合い、生涯を共にする伴侶」と考えています。私の感覚では、幸せな結婚生活を送り、離婚することなく、生涯を共に生きた夫婦でも、そのすべてが赤い糸でつながっているわけではありません。

 

皆さんも芸能人の結婚記者会見をテレビで見たことがあると思います。その中で、レポーターから

「初めて出会った時に彼(彼女)のことをどう思いましたか?」

と尋ねられて、

「ビビっときました」とか「きっと結婚するのだろうとピンときました」

と答える方たちがいます。そういった二人は、私から見て、赤い糸で結ばれているカップルです。一方で、

「まさか結婚するとは思いませんでした」とか「ずっと良い友達の一人でした」

と答える方たちは、“赤い糸”つまり、最初から運命的に伴侶になると決定づけられていた二人ではないのです。

 

“愛をはぐくむ”という言葉がありますが、運命的に強く結びつけられた二人でなくても、人は一緒に過ごしているうちに、友情が愛情へ変化したり、尊敬の思いや共感の思いが、愛情に発展していくこともあります。そういった形で結びついた夫婦でも、赤い糸で結ばれた夫婦と同じように、生涯にわたり愛し合い、幸せに生きていくこともよくあります。赤い糸で結ばれていないということが、二人の結びつきが弱いということではありません。愛情を育てていった夫婦でも強くつながっていることはしばしばあります。

 

私は出会った二人が幸せな形で、お互いの関係を継続するためには、次の3つのポイントが必要だと考えています。まず、1つ目は二人の間に“強いご縁”があることです。縁は二人の間のタイミングに作用しますから、ご縁のある二人には、偶然が二人の関係が継続していくように働きかけます。2つ目は二人の“霊的な波長が近いこと”です。霊的な波長はその人の考え方ではなく、感じ方を司ります。したがって霊的な波長が近い二人は、同じ景色を見て同じように美しいと感じたり、同じものを食べて、同じようにおいしいと感じることができます。ただ、波長は真逆ぐらいに大きく離れていると、自分に無い感覚を相手が持っていることになりますので、例外的に相性が良くなるケースもあります。そして3つ目は“人生観”です。極端に言えば、常識を外れたような生き方をしている人でも、お互いに常識が外れていれば、それなりに相性は良くなります。人生観はどのように生きていくか、その方向性を決めるものですから、人生観が近いと長くつながっていくことができます。

 

赤い糸で結びついている二人は、どれだけ離れた場所で生まれ育っても、いずれ必ずどこかで出会い、二人の交際は始まります。ですから愛情をはぐくんでいく二人よりも確実に幸せになるように思えます。ただし、一見すると強く結びついていくように感じる“赤い糸”ですが、ここにも落とし穴があります。(2)へ続く。