よく“ご縁”という言葉を耳にします。人は自分一人では生きていくことはできませんから、おのずと誰かと関わりを持っていかなければなりません。そこで良い人と出会って充実した人生を歩むのか、悪い人と関わりを持って不幸な人生を歩むのか、人とのご縁は自分の未来に大きな影響を及ぼします。

 

人は誰かと出会い、その人と付き合っていく中で、その人が自分にとって悪影響を与える人間だとは思いません。もし、そう思っているなら、その人と人間関係を作ることはないからです。つまり、自分としては“良いご縁を持った人”と思っていても、結果的にその人と関わったことによって人生遠回りをさせられたり、不幸になってしまうこともあるのです。

 

結婚式の当日に、自分たちがこれから不幸になると思って式に臨む新郎新婦はいません。しかし現実には厚生労働省の平成27年のデータでは、この年の婚姻件数63万件に対して離婚件数は22万件になっています。平成27年以前から婚姻関係にある夫婦は数多くいるわけですから、この数字を単純に割り算して離婚率が35%と言い切ることはできません。しかし、良いご縁を結んだと思って結婚しても、結果的に当てが外れてしまった人がこれだけ多くいることも事実なのです。

 

それでは良縁を結ぶにはどのようなにしたらよいのでしょうか。そこには相手の人とどのような形で知り合ったのか、そこにポイントがあります。たとえば仕事で知り合った方が、とても優秀で仕事のできる人だったとします。それはビジネス上のお付き合いをする上ではとても有益な出会いになるかもしれません。しかし、その方が野心家で、お金や権力を強く求めている人であれば、その影響が自分にも伝わってくるのです。ですから、もしあなたが人生に安らぎや心の豊かさを求めているのであれば、この方とのご縁は良縁にはなりません。

 

そして誰かと出会うときには、往々にしてその人を紹介してくれた人がいます。その人の考え方や生き方を見れば、紹介された人の考え方や生き方もおおよその見当がつきます。

 

もし、あなたが、野心の強い方との人間関係に疲れて、その人との付き合いに辟易していたとします。しかし、これまでその人と人間関係を作ってきたあなたにも、心のどこかにその人の生き方や考え方に共鳴共感する部分があったのです。ですからその人との人間関係が続いてきたのです。

 

人は誰かとお付き合いをしていくとき、自分の生き方や考え方と決して交わらない人とは関係を継続していくことはできません。ですからあなたがこれまでお付き合いを続けてきた人の生き方を批判するときは、あなた自身にもそういった面を持っていることも同時に反省するべきなのです。

 

あなたが良いご縁をつないで良い人間関係を作っていこうと思うなら、日ごろからあなた自身が良い生き方や考え方の元に行動していくことが必要になります。あなたがいつも自然体で心豊かに生きている人とご縁をつなぎたいと考えるなら、まずはあなた自身がそのように生きていかなければなりません。ご縁は誰かによってつながれることがたくさんあります。その誰かはきっとあなたの生き方に共感を持っていることになるからです。