先日、私に相談された女性は、仲の良い女友達との旅行について悩んでいました。彼女によると学生時代からもう10年以上お付き合いをしている女友達4人で、毎年1回の旅行を続けているそうです。この4人は旅行以外でも時々会っているメンバーで気の置けない友人たちだと言います。ただ、4人の中には専業主婦でお子さんのいる人や独身で仕事に情熱を燃やしている人もいて、微妙に4人の関係が変わってきているようです。私に相談された方は、だいたいは4人の中和剤になって話のまとめ役をしているそうです。一緒にいて話をすれば盛り上がるし楽しいのですが、本音を言えば少々疲労気味だと言います。そうかといって、ずっと4人で続けてきた旅行を自分が抜けるわけにもいかず、旅行自体は好きなのでどうしたらよいかと私に相談してきたのです。

 

私はその方へ伝えました。

「今までの友人関係やこれからのお付き合いを考えても今回の旅行は行かれたた方が良いでしょう。何よりもあなた自身の気持ちの中に旅行へ出かけて気分転換したいという思いがありますから」

 

「ただ、ホテルの部屋割りを今回は工夫した方が良いでしょう。ホテルの部屋はシングルルームを4部屋取るように提案してみてください。きっとその提案は皆さんにも受けいれられますし、そのことによって昼間は今まで以上に仲良く過ごすことができますから」

 

私がこのように答えたのにはもちろん理由があります。仲良しの4人のメンバーも学生時代とは違い、生活がそれぞれで変化してしまった今は、常に意見が一致するわけではありません。それでもこれまで4人で仲良く過ごしてくることができたのは、4人それぞれが相手に忖度してお付き合いをしてきたからです。つまり、4人のまとめ役として気遣いをしてきた相談者の女性以外のメンバーも、それぞれが気を遣って疲れを感じているはずなのです。その状況で昼間一緒に過ごして、夜も一緒ではお互いにストレスをためて、お酒でも入れば理性が利かなくなって爆発してしまうかもしれません。ちょっとした言葉のすれ違いやいさかいがそのあともずっと尾を引いてお互いの関係を終わらせてしまうこともあります。私から見て、霊的な波長の近いこの4人は、上手くお付き合いをしていけば一生の付き合いができる関係にあります。それでしたらこれから先も良い関係を維持していけるように対応していった方が良いのです。

 

彼女がこのことを提案すると、意外なほどあっさりと他の友人たちも賛成したそうです。それは学生時代とは違って、社会経験を積んできた大人同士だからこそ、長く良いお付き合いをしていくために、お互いの距離感が大切であることを皆さんが理解していたのです。

 

ホテルに着くと女4人の友人たちがシングル4部屋を予約したことを仲居さんに尋ねられたと言います。

「あなたたちは一緒に旅行をしていますが、仲が良いのですか?それとも悪いのですか?」と。

確かに外から見ればそのように見えるのかもしれません。しかし、昼間ワイワイ騒いで盛り上がっても、夜にはお互いのプライバシーを尊重して、昼と夜のバランスを取った方が、長く風通しの良い友人関係を維持していけるようになります。