私は自分自身の霊的な間口が広く、霊障を受けることもありますので、外に出るときは、常にアンテナの感度を高めて警戒しています。それは人や物だけでなく、さまざまな場所や空間など、自分を取り囲むすべてに対してです。それは霊的な影響は、これらすべての場所に現れてくるからです。
何か霊的な問題を抱えている人がいるとき、その人と目線が合ったり、その方の右手と私の左手が触れた瞬間に、その方が抱えているものが私に入ってくることがあります。強いものですと目線を逸らしたり、左手を触れないように隠していても、そばにいるだけで移ることもあります。霊的に何かの因縁を抱えている場所に立つとき、そこからさまざまなネガティブな影響を受けることもあります。それ以外にも、今まで何の問題も無かった場所や人に、突然大きなリスクを感じることもあります。
先日、都内の通りを普通に歩いていました。気持ちよく晴れて天気の良い日でした。ただ、通りの前方を見ると、急に建物の影に入ったように薄暗く見えたのです。私は立ち止まって、思わず太陽の位置を確認しました。すると影ができるのは通りの後ろ側になるはずです。私の進む前方に影ができるはずはないのです。また、私は今までにこの通りを何十回も歩いていますが、その一部分だけが薄暗く見えたことは一度もありません。周囲の景色は普通に見えていますので私の視力にも問題はありません。
前方を改めて確認すると、多くの人たちは普通に通りを歩いていますので、おのずとその影の中を通過しています。この影を通過したからといいって、急に咳き込む人も倒れる人もいません。ただ、私には何かこの影の中に入ることが、悪いことにつながるような気がしてなりませんでした。私は自分の感性を信じて、この影を避けてかなりの遠回りをしました。
同じようなことは人にも起こります。学生時代の同級生や会社の同僚のように、毎日普通に顔を合わせて接してした人でも、あるとき廊下で後姿を見ると、首から肩にかけて、暗い影に包まれていることがあります。そして、しばらくすると、必ずご本人に良くない出来事が起こります。こういった状況を見て、私は若いころは、注意を促すようなことを相手に伝えました。しかし、その一言は相手に不快な思いをさせて、私の真意が伝わらないことの方が多いのです。したがって今は相手から何かを聞かれない限りは黙っています。
霊的なものはほとんどの人には感じられません。自分で感じられない世界のことは、想像力によって推察するしかありません。その想像力も乏しければ、霊の世界そのものを否定するしかないのです。私は、否定している人を説得してまで理解してもらうつもりはありません。
今述べたうす暗く感じる影を煙のようだという人もいます。感じ方は人それぞれで異なりますので、この世界の感覚は厳密にいえば人それぞれで微妙に異なります。“必ずこのように見える”という、正解はないのです。
私が感じるうす暗い影は、世界のあちこちに現れます。車の中や電車の中。ビルの階段や廊下。家の中やホールの中にも表れます。それは何時間で消えることもあれば、何か月も続くこともあります。
一つ皆さんにお伝えしたいのは、皆さんがどこかでうす暗く感じたり、空気が重いと感じたときは、そこには近づかない方が賢明です。人間は誰でもが霊的なものや目に見えない何かを感じ取るセンサーを持っています。その心の声にしたがって生きることで、知らず知らずのうちに危険を回避していることも多くあるのです。