先日、私に相談した女性は、人事異動で移った部署が15人ぐらいのグループなのですが、完全に孤立化してしまい退職まで考えていました。異動した最初のうちは、仲良く昼食を食べに行く同僚もいたのです。上司も仕事を親切に教えていたのです。しかし、一人の先輩女子社員と関係が悪くなったのをきっかけに、仲良く昼食を食べていた女子社員は離れていきました。そのときは先輩女子社員から何か言われているのだろうと思って気にしないようにしていました。しかし、時間が経つうちに同僚の男性社員とも上手くいかなくなりました。女子社員から仲間外れにされているような状態になっても、それまでは男性社員とは特に問題なくコミュニケーションは取れていました。そして上司に相談すると、親切だった上司から「あなたはこの部署の皆から嫌われている。コミュニケーション能力が低い。仕事の覚えも悪い。他の部署へ異動した方が良いのではないか」と言われてしまいました。それから会社へ行くと、手が震えたり、めまいがしたり、動悸がするようになったのです。それでも欠勤することなく出勤していたのですが、とうとう我慢できなくなって私に相談してきたのです。
私はまず最初に今の部署のメンバーの画像があれば送信してほしいとたのみました。それはメンバーの霊的な波長を確認したかったからです。彼女はすぐに社員旅行のときに撮ったメンバー全員の画像を送ってきました。私がその画像を見て驚いたのは、彼女の波長は他のメンバーすべての波長とかなり離れていたのでした。特に最初にトラブルになった先輩女子社員とは大きく離れています。これでは彼女がどれだけ仲良くしようとして行う言動もすべて逆手に取られてしまいます。彼女の好意は悪意と解釈されて、益々相手を苛立てせてしまいます。この状況では先輩女子社員と良い関係を作ることは不可能です。
さらに良くないのは、他のメンバーたちは波長の近い人たちが、3~4人ずつ集まっていました。このメンバーたちは気が合いますから、固まって自分たちのグループを作ることになります。そうなれば波長の離れた彼女は益々、他の社員の輪の中へは入れません。こうやって時間の経過とともに彼女は孤立化していくのです。
私がこの状況を伝えると彼女が質問してきました。
「でも、今までは仲良くできていたんです。波長は生まれた時から死んだ後まで変わらないなら、どうして今まで仲良くできた人と途中から仲良くできなくなるのでしょうか」
私は彼女に説明しました。「人間は本来は気の合わない人とでも短期間であれば上手くやっていくことはできます。特に職場の人間関係は誰もが上手くやっていこうと思っていますから、相手に合わせたり忖度することができます。自分の本音を抑えて相手と付き合いますので表面上は上手くいっているように人間関係を作ることはできるのです」と答えました。
ただし、それは長くは続きません。時間が経過してお互いに慣れてくると、だんだん本音が出るようになってきます。それでも最初のうちはまだ気を遣う人が多くいます。ただ、誰かが堰を切って本音を出した時に、本来は良く思っていなかった人は、その人に同調します。そしてあれよあれよという間に彼女の包囲網が形成されたのです。先輩女子社員が他の社員を先導したのではなく、先輩女子社員が口火を切ったことで他の社員も自分の本音をぶつけてきたのです。
私はこの女性に伝えました。「このメンバーの中で上手く人間関係を作ることは不可能です。もしそれを何とかやろうとして頑張れば、体を壊します」と。人は過度なストレスが長く続くことには堪えられません。それはどれだけ強い人もでも不可能です。そして、「私はあなたが特にコミュニケーション能力が低いとは思いません。そして今まで仕事を続けてきたのですからビジネススキルももちろんあるでしょう。年齢を考えると転職はリスクを伴います。転職したとしても今の待遇で働ける会社を見つけることは困難です。まずは他の部署への異動を申し出てください。部署のメンバー構成が変われば、まだまだ仕事ができますから」と。人にはできることとできないことがおのずとあります。できないことまで何とかしようと思うのではなく、できることを精一杯やる方向へ目を向けてください。