今はもう受験シーズンも終盤に入りました。毎年この時期になると幼稚園から大学院まで受験生を抱えた親御さんから数多くの依頼を受けます。皆さんの希望はもちろん”お子さんを志望校へ合格させてほしい”というものです。ただ、私に依頼される方は単なる合格祈願の枠を超えて期待されますので、私も全力で対応します。スポーツの試合や音楽家の演奏会などでもよく頼まれますが、一発勝負の本番では何が起こるかわかりません。偶然が良い方へ流れるように、緊張しないで落ち着いて対応できるようにパワーや念を送ります。私の本音は単に気持ちが落ち着くだけでなく、偏差値で言えば5ポイントぐらいはアップさせるつもりでパワーを送っています。ただ、塾の宣伝のようにあまりそこを強調すると過度に期待をさせてしまいますので依頼を受ける際は控えめにお話ししています。私に依頼された受験生は、幸いにしてここ3~4年は全員合格しています。今日も高校の合格の連絡をいただきました。今年もここまでは全員合格です。

 

受験で合格を勝ち取るためにはもちろん本人の努力が必要です。それなくして合格はあり得ません。ただ、やみくもに頑張っても合格できないこともあります。それは努力の方向性が間違っているときです。ですから勉強を続けながら、時々違った目線から今の勉強の仕方を見つめなおすことが大切です。努力の方向性が間違っていればその都度修正して正しい方向を目指します。正しい方向へ向けて努力を重ねれば、それは合格へつながります。頑張っているのに結果が出ない人は、努力の方向性を客観的な目線からチェックしてみてください。

 

私は若いころに塾の講師や予備校の講師をしていたことがあります。幼稚園生から高校生、浪人生までを何千人も教えてきました。その中で急に成績が伸びた生徒が何人もいました。彼らには共通点があります。それは勉強することの意味を理解したということです。勉強というと、机に向かい、テキストを広げて問題を解くことだと思っている人がいます。確かにそれも勉強の一部ではありますが、それだけを毎日何時間か続けていてもそれだけでは成績は伸びません。

 

勉強をするとは生きるということです。机に向かっている時間が勉強なのではなく、朝起きてから夜寝るまでの生活すべてが勉強なのです。ですから急激に成績の伸びた生徒たちは、勉強時間がどうのではなく、生活の仕方が変わってきます。義務として勉強をするのではなく、能動的に生活の中に勉強が組み込まれてきます。そうなると顔つきや目つきも変わってきます。自分からアピールしなくても本気になっていることは一目でわかります。その状態になった時、成績は急激にアップします。

 

考えてみれば受験勉強だけでなく、仕事もスポーツも芸術も同じです。自分の毎日の生活の中にそれががっちりと入り込んできたとき、結果はおのずとついてきます。アフターファイブを考えながら、時計とにらめっこして仕事をしている人がいます。そのようなスタイルで仕事をしている人が、大きな成果を出せないことは明らかです。本気で取り組んだ時に初めて飛躍することはできますし、奇跡は起こります。

 

受験生の皆さん、そして親御さんも受験の残された時間はあとわずかです。悔いが残らないように最後まで気を抜かずに取り組んでください。もうこの時期は過去問に繰り返しチャレンジしながら、苦手な単元をあぶりだしてください。そしてそこをしっかりと理解して、必ず全問正解してから、また次の過去問へ取り組んでください。そうやって自信をつけて試験へ臨んでください。