近い将来には、出生から数秒後には新生児の寿命と死因を特定できるところまで遺伝の研究は進んでいると言われています。そのような専門家の研究によると、運動に関しては卓越した運動能力を発揮する遺伝子が発見されていると言います。具体的には陸上男子100mで、10秒5を切るには、その遺伝子を持っていない人には困難なようです。ただ、同じ運動能力でも野球・サッカー・ゴルフなどの球技系は、特に優れた遺伝子を持っていなくても、練習を積み重ねることによって高いレベルまで到達することは可能だと言います。したがって、身体能力については親から受け継いだ遺伝による影響は50%ぐらいだということです。

 

それでは頭の良し悪しは遺伝で決まるのかどうか。専門家によると頭が良くなる遺伝子と言うものは見つかっていません。頭の良し悪しは、生まれ育った環境や本人の性格などさまざまな要素によって決まります。人の性格や性分は遺伝によって子供に受け継がれることは知られています。世界的に普及している性格テストによると、特に“浪費”と“悲観”は遺伝しやすいそうです。ですから鳩山家のように5代続けて東大へ進学するような家は、頭の良い遺伝子を受け継いだのではなく、勉強に集中できる環境にあったとか、学習を継続できる集中力や我慢強さを性格的に受け継いだことにその理由があるようです。

 

また、遺伝子は、環境によってそれがオフになったり、オンになったりします。ずっと勉強を続けている人が頭が良くなるのは、集中力や理解力など、それに関係している遺伝子が継続的な学習によってオンになったことによるものと言われています。

 

それでは霊能者の世界はどうでしょうか。霊的な感性も子や孫に受け継がれるものなのでしょうか。たとえば自分自身を振り返ってみると、私の両親は霊的な感性とはまったく無縁の世界で生きてきました。父方にも母方にも可能な代までさかのぼってみても、いわゆるスピリチュアルに携わっていた人は誰一人いません。まるで突然変異のように私だけ家族や親族とは異なる感性を持って生まれてきたのです。

 

また、霊能者の中には「先祖が陰陽師であった」とか、「代々神主であった」という人がいますが、私はそれにも全く該当しません。さらに「神の託宣を得た」という霊能者も時々います。以前はまるでそれが当たり前のように「シュンさんは何の神様から力を与えられたのですか?」と訊かれることが時々ありました。そういう質問をしてくる方は、「自分は不動明王から力を与えられた」とか、「普賢菩薩が夢枕に立ってこの道へ進むように言われた」としばしば語ります。中には自分は観音菩薩の生まれ変わりであると言ってはばからない人もいます。

 

しかし、私は誰のお告げも受けていませんし、もちろん神の生まれ変わりでもありません。それでも自分の感性を磨いて、そこに映されたイメージをお伝えすることで、行方不明の方を見つけ出したり、皆さんの未来をお伝えすることもしてきました。

 

ただ、一方で有名な霊能者の子供がその後を継いでいることもあります。このような状況を見た時に、私は霊的な感性については、それを遺伝的に持っている方もいれば、遺伝とは関係なく獲得している方もいると、そのようにお答えするしかありません。