先日、家を建てようと考えている方から、家の間取りについて質問をされました。たとえば風水では玄関の正面に下り階段がある家は、気が外に逃げてしまうためタブーとされています。風水ではトイレは臭気のこもる場所として嫌われています。玄関は外からの気を取り込む大切な場所です。その近くにトイレがあると取り込んだ気を臭気で汚してしまうために良くないとされています。風水では扉と扉が向かい合うのは対立相と言って凶相とされています。風水ではこのような決まりごとがたくさんあります。私ももちろん、それらすべてを承知しているわけではありませんが、すべてのルールを適応して、果たして家は建つのだろうかと疑問に思うこともあります。

 

私は風水師ではありませんので、私の経験から注意点をお伝えしました。私は最も重要な、”抜けの良い家を作ってください”とお伝えしました。私が子供の頃は核家族化が話題になっていました。その頃は大家族から核家族に家族の形態が変わり、子供が2人いれば、狭くてもそれぞれが自分の部屋を持つ家が、良いとされていました。そのため限られた家の専有面積の中に、6畳の居間に4畳半の台所があり、4畳半の子供部屋が2つと4畳半の夫婦の寝室が1つというように、家の中が壁でギチギチに仕切られていたのです。家の中には広いスペースや廊下もありませんが、それでも家族のプライバシーが守られている方が良しとされていました。今では家族が集まるリビングは概ね8畳以上の広さがあり、中には15畳、20畳以上の広さのあるリビングもしばしば見受けます。また、家の中をすべて壁で仕切らずに、段差を付けたり、ロフトを作って工夫することで、開放感のある空間を作り出しています。

 

私が今まで数多くの家を見てきた中で、気の流れの悪い家は霊的に問題を抱えている家が多くありました。気がこもりやすい家には霊的な意味で悪い霊や念もまたこもりやすいのです。そういった意味ではコンクリートでガッチリと固められている家も、見た目は丈夫で強そうですが、気がこもりやすく良くありません。コンクリートの家はそもそも湿気がこもりやすく、陰の気が留まりやすいのです。コンクリートやサッシで囲まれたマンションは、特に1階では結露が問題になるように家の中に湿気が充満しやすいのです。霊的に悪いものは陰の気を好みます。霊的に問題のある家は、どこも室内が薄暗くて湿気を感じます。不浄霊はそもそもそういった場所を好みます。

 

昔の日本家屋を想像してみてください。風水でも最も大切とされている玄関は、とても広くて余裕を持って作られています。家の中の各部屋は4畳半や6畳の小部屋も多く一見すると狭い部屋が並んでいるように感じます。しかし、部屋の間はふすまで仕切られていますので、ふすまを開ければ、10畳以上の広い広間が出現します。また、玄関から各部屋へは庭や外に面した廊下でつながっています。廊下には採光や空気を入れ替えるための大きな窓が備えられています。廊下の窓を開ければ、一瞬で家の中全体の空気の入れ替えができます。そして木造建築は木が湿気を吸収して呼吸していますので、湿気が溜まりにくい構造になっています。

 

昔の人の考えは、一見すると非合理的なようで実は理屈にかなっていることが良くあります。100年200年経過しても十分に住み続けることのできる木造建築の日本家屋は、まさにその代表的なものだと言えます。そして不浄霊は薄暗くジメジメとした湿気のある場所を好むとともに、雑然として汚れた場所も大好きです。家のポイントとなる玄関や水回りは特に気を付けて常にきれいにしておいてください。それは良い運気を招き入れて、悪い気を祓う上でとても有効なことです。今日は久しぶりに家の中の窓を開けて、空気を入れ替えてください。きっと気持ちがスッキリして活性化できると思います。