先日、千葉県木更津市で飲食店を経営する方から「最近、お店の売り上げが下がってきたので売り上げアップのための祈祷を行ってほしい」と頼まれました。こういった依頼は時々受けています。人は無意識のうちに自分の思いを外に発信しています。そしてそれを受信するセンサーを持っています。人が無意識のうちに出している強い想念のことを”霊はく”と呼びますが、霊はくは知らず知らずのうちに霧のように充満してお店の中に降り積もっていきます。特に人間の欲に関わりのある場所では、霊はくは強く滞留します。パチンコ店や雀荘など、ギャンブルを行っている場所や、女性が接客をしているクラブ・スナックなどでは、金欲や物欲や性欲からしみ出した霊はくが店の中に留まっていきます。
霊的なものの影響に鈍感なタイプの人は霊はくがどれだけ溜まっていても何ら影響は受けません。しかし、霊的に敏感な人=霊的な間口の広い人は霊的なものに無意識のうちに反応します。霊はくは死霊や生霊とは異なりますが、広い意味では同じように霊的なものになります。たとえば、スナックへお酒を飲みに行ったとき、どれだけ美人のホステスがついて、楽しい話題で盛り上がって、料金が格安だったとしても、霊的なものの充満しているお店は決して流行りません。それは理屈を抜きにして人に嫌な印象を与えるからです。嫌な感じを受けた店にはもう一度行こうとは誰も思いません。美人ホステスも楽しい話題も格安料金もそれは理屈の部分に該当するものです。しかし、人間が何かを判断するときに、いつも明確な理由や原因によって決めているわけではありません。目に見える明確な理由よりも、その場の空気や雰囲気、もっと言えば自分の何気ない感じ方によって判断していることも多くあります。霊的なものの影響は理屈を飛び越えて人の心身に作用してきます。ですから霊的なものの滞留しているお店は、どれだけ良いサービスを提供しても、良い接客をしても、価格を安くしても、それだけで人を遠ざけてしまうのです。
ですからこういった祈祷では、まず最初にお店の中に溜まっている霊はくを祓ってきれいな状態にします。それからお客さんとスタッフが上手くつながっていけるように、タイミングが合うように念じていきます。そして最後に再び悪いものの影響を受けないように結界を張ってお店をガードします。今回依頼を受けた経営者の方とも、もう10年以上のお付き合いになります。今までにもお店の売り上げ向上の祈祷を何度か行ってきましたし、ご親族の方の病気平癒の祈祷も行いました。きっと今回も不安な状況なのだろうと思い、すぐに木更津までうかがうことにしました。
この日の私は午前中に東京都板橋区で出張鑑定を行っていました。したがって鑑定終了後に首都高速道路5号線の高島平インターから高速道路に入りました。そして板橋ジャンクションから首都高速中央環状線の山手トンネルを通って大井ジャンクションへ向かい、そこから首都高速湾岸線で川崎浮島ジャンクションを経由して東京湾アクアラインへ入りました。距離的にも時間的にもほぼ最短のコースになります。ただ、この行程には気がかりなことが一つありました。それは木更津までの道のりの中でトンネル部分が非常に長いことです。
高島平で高速道路に入る前にナビゲーションを設定しました。するとこのルートで現地までは70キロと表示されました。しかし、現時点で日本で一番長い自動車トンネルである山手トンネルは、長さが18・2キロもあります。これは世界的に見てもノルウェーにあるラルダールトンネル(24・5キロ)に次いで世界第2位に長さです。また、その先にある東京湾を横断する東京湾アクアラインは、総延長15・1キロのうち、川崎側の9・5キロが東京湾の地下にある海底トンネルになります。この2つのトンネルの長さだけでも27・7キロで、さらに大井ジャンクションから川崎浮島ジャンクションの間には、他にも東京湾に作られた人工島の間をつなぐ海底トンネルがいくつか連なっています。つまり、このルートで木更津まで向かうと、約30キロはトンネルの中を運転しなければならなくなるのです。(2)へ続く。