私はすぐに実家を出るための準備をするように話しました。私には、未来に大きな可能性を持っている彼女が、このまま実家に縛られていることで、その未来を失っていくことがハッキリと観えたからです。それは仕事でも恋愛でもお金でも、彼女の人生のすべての領域に言えることです。
お父さんの状態は、日に日に悪化していて、ご家族が介護できる範囲を超えています。それをお母さんと二人で行うことはお母さんにとってもこの方にとっても、そしてお父さんにとっても大きな負担になります。こういった状況でご家族が介護疲れで心が折れないように、専門の病院や施設があります。私は入所できる施設をもう一度探すように勧めました。また、お母さんには、一人暮らしをしている妹さんが2人いました。お母さんも含めて、皆さん、自立した生活が可能な健康状態です。私は3人の霊的な波長をチェックしました。血のつながりがあっても霊的な波長が離れている親子、兄弟は時々います。霊的な波長はその人の感じ方をつかさどるものです。霊的な波長が近ければ感じ方が近いので、同じ景色を見て、同じものを食べて、同じ音楽を聴いて同じように良し悪しを感じることができます。波長が離れていれば、理屈抜きに感じ方が異なりますので仲の良い関係を続けていくことは出来ません。幸い3人の霊的な波長は、十分に仲良く暮らしていける範囲に収まっています。それなら3人のお子さんたちもご本人たちも一緒に暮らしていかれた方が何かと安心できるはずです。
ご両親がつつがなく安心して生活できる状態になれば、この方も安心して実家を離れることができます。私から見ると、この実家で暮らしていくことは、無事に生涯を生きていくことは出来ますが、それ以外の可能性はすべて失われてしまいます。ドキドキするような恋愛も、充実感を感じる仕事も、感動するような景色を見ることもなく、ただ、家に縛られて時間が過ぎて行くだけの人生になります。それは何よりもご本人が感じている通りです。
私はご両親の居場所をきちんと確保したなら、自分自身の準備はきちんと整わなくてもすぐに実家を離れるように話しました。計画性を持って、住まいや仕事をしっかりと決めてから実家を出ることができればそれに越したことはありません。ただし、実家に引っ張られている状態では、そこまで家から出る準備を完璧に整えることは出来ません。必ず何かの邪魔が入ってしまい、準備が整わないままにまた実家に引き戻されてしまうのです。ですからまずは自分の足を引っ張っているその家を出ること。そして家を出ることで流れは良くなりますので、良い仕事や住まいを確保することができると感じたのです。常識的に考えれば順序は逆ですが、霊的な問題は常識が通じない世界なのです。
話は飛びますが、以前、イタリアに引っ張られているという男性がいました。イタリアへは何度も旅行へ出かけ、日本でもイタリア人のコミュニティーに出入りしています。それは単にイタリアが好きという範囲を超えて、根っからイタリアに染まっているのです。彼はいずれはイタリアで暮らしたいと私に話しました。私はイタリアの土地の波動をチェックしました。すると日本の土地よりもイタリアの波動の方が彼にはピッタリと合っていたのです。イタリア人の国民性も彼には合っています。土地の波動も国民性もピッタリならば、その土地で暮らした方が、間違いなく人生は開けます。
彼は就業ビザの問題やイタリアで暮らしていくための手続きや準備でイタリアで暮らす計画がとん挫していました。私は、今回のケースの女性と同じように、彼に言ったのです。
「ともかくすぐにイタリアへ行った方が良い。お金や準備が不十分でも現地に行けば必ず道は開かれるから。日本にいてスムーズに進まないことが現地へ行けば、嘘のように動き出します」
私は何も不法就労や不法滞在を勧めるわけではありません。今は準備が整っていなくても、現地に行くことで、不法就労や不法滞在にならない道が開けると感じたのです。そして彼はイタリアへ行きました。日本でアパレル系の仕事をしていた彼は、ミラノに住んでイタリア人の女性と結婚しました。そして今では仕事も夫婦関係も良好でイタリアで充実した毎日を送っています。(3)へ続く。