先日、神奈川県の箱根町でホテルを経営している方から、「会社の経営からプライベートの問題までいろいろ観てもらいたい」と頼まれて箱根まで行ってきました。私は神奈川県の出身なので、若いころから箱根は何度も訪れています。海の幸と山の幸に恵まれて、自然や温泉のある箱根は、身近なドライブコースとしては最適です。できれば温泉に浸かって、浴衣で夕食を食べて一泊できればかなりリフレッシュできるのですが、翌日も朝から仕事が詰まっています。残念ながらいつものようにとんぼ返りになりました。
箱根に向かうルートはいろいろとあります。以前は西湘バイパスから箱根湯本を抜けて”箱根裏街道”を通って、御殿場から東名高速で帰るコースが大好きでした。箱根湯本から宮ノ下までは随所に温泉街の風情が残されていて心地良い上り坂が続きます。しかし、宮ノ下の分岐を御殿場方面へ向かい、宮城野を過ぎると辺りはかなり寂しくなります。実際、仙石原で数回、乙女道路でも数回、古い不浄霊と遭遇しました。深夜に誰一人歩いていない山の中でいきなりエンジンが停止した瞬間に、前後左右から不浄霊に囲まれて、車をゆすられたことがありました。山を下りてガソリンスタンドまでたどり着いたとき、車のボディーや窓ついた無数の手形を発見して、スタンドの従業員が青くなったことを覚えています。私の車の中は何重にも結界が張ってありますから、そう簡単には中へ入れません。それで自分たちの存在を示すために手形を残したのです。
箱根の周辺にはいわゆる”心霊スポット”と言われる危ない場所がいくつもあります。できる限り、そういった場所には近づきたくないので、このルートを選んでいます。やはり、箱根で危ないところと言うと、このコースとは反対側の箱根関所の周辺部に数多く点在しているのです。そして今回訪問したホテルは、宮ノ下の分岐を芦ノ湖方面へ向かい東海道に出るルートにあります。これはまさに箱根の関所へ向かう最短コースですから、私は少し身構えながら出張鑑定を行ったのです。
幸いにして気持ちが張っていたこともあって、霊視鑑定は無事に終了しました。そこで安心したのもつかの間、旧東海道から箱根湯本へ向かう途中でやはり、おかしなことに遭遇しました。旧東海道に入ると途中で大きな池の横を通り過ぎます。ちょうど池の横に車が差し掛かった時に、車の周囲に障害物があるときに作動する警告音がけたたましく鳴り出したのです。私の車は周囲に人や障害物があるとドアミラーにある三角のマークが点灯して危険を知らせます。その障害物がさらに車に接近すると、衝突しないように警告音が鳴り響くのです。つまり、目には何も見えませんでしたが、車のセンサーは車の隣に何かがいることを感知して私にそれを知らせているのです。さらにドライブに入ってた車のギアがいきなり抜けてニュートラルに入りました。そうなるといくらアクセルを踏んでも車は進みません。私の車は空ぶかしのエンジン音を何度も響かせたまま、ゆっくりと池の横に停止してました。
辺りはすでに漆黒のとばりが降りていました。歩いている人も通る車も1台もありません。私は箱根は何度も訪れているので、この池がさまざまな因縁を伝えられている”お玉が池”だということは知っていました。ただ、この道は何度も通っていますが、このようなことは初めてです。ギアの入らなくなった車は、しばらくは惰性で走ります。そして図ったようにピッタリとこの池の隣で車は動きを止めたのです。車内にはいつもまでも、隣に何かがいることを知らせる警告音が鳴り響いていました。(2)へ続く。