先日、東京都港区にある麻布十番まで出張鑑定へ行ってきました。テナントや居住用の賃貸物件を何軒も持っている大家さんから、「テナントが入ってもすぐに出て行ってしまう物件があるので、私に鑑定してもらいたい」という相談でした。そこは地下鉄の麻布十番駅から、仙台坂方面へ向かう商店街の中にあります。このあたりは都内でも屈指の人気エリアです。周辺には外国の大使館や高級マンションが林立しています。昔からの下町の風景と賃貸なら家賃が月100万円を超えるような高級マンションが混在して独特の雰囲気を醸し出しています。鑑定を依頼された物件は、人通りのある商店街の中の角地に立つ高級マンションの1階にあります。通りには高級感のあるブティックや宝飾店、飲食店などが並び、角地の路面店になりますので、一見するとどのようなお店が入っても繁盛するように思えます。

 

しかし、依頼者の大家さんによると、今までに、レストランやエステ店、海外の食材の販売店、アンティーク家具のお店などが入ったものの、早いときには1年も経たずに出て行ってしまったのです。その理由はどれも、経営不振によるものです。平たく言えば、1等地の目立つ場所にあるお店なのに、お客さんが入らないのです。もちろん、立地が良くてもそれだけで商売が成り立つわけではありません。商品の販売価格やサービスの質を高めなければお客さんは入りません。それでも、毎回どのテナントも短期間で営業不振で出ていくとなると、この場所に何かるのではないかと疑いたくなるのでしょう。

 

実はこの辺りは私がもっとも多く出張鑑定で出かけるエリアです。西麻布や東麻布など、麻布と名の付くエリアには、今回と同じような店舗経営の問題から、お住いのマンションで起こる”霊現象”の相談などで、今までに10数か所は訪れています。狭いエリアのあちこちから、これだけ数多くご相談を受ける場所は、日本中でここしかありません。

 

東京の中心部は関東大震災や東京大空襲などで10万人を超える人たちが、命を落としています。特に戦時下においては亡くなった人を手厚く葬ることさえできません。日夜空から爆弾が投下される状況では、葬式や埋葬をすることもできません。その結果、今でもご遺骨が埋まったままになっている場所がたくさんあります。そして土地は整備され、ご遺骨の上に建てられたビルも数多くあります。そのような建物に住んでいれば、何かの霊障を受けることは明らかです。したがって都内には、隣同士のビルで、霊的に非常に悪いビルと、何ら問題のないビルが混在している場所がたくさんあります。その地域の土地が何ら問題なくても、ご遺体の上に建てられたビルでは住民に悪い影響を与えてしまうからです。

 

それでこのご相談を受けた時にも最初は何かその土地に良くないものが埋まっているのではないかと考えました。しかし、現地に立ってみるとこのマンションの土地には、ご遺体や霊的に問題のあるものが埋められていることはありませんでした。この土地自体は何ら問題はないのです。しかし、この土地は、霊道という霊の通り道の交差点になっていました。しかも道幅の広い大きな霊道の交差点なのです。麻布ではこういったケースがしばしばあります。霊道は霊の集まる場所(=家)があるとすると、そこを出た霊が次の家へ向かう道筋に形成されていきます。霊が集まる場所とは、私のように無意識のうちに不浄霊を引き寄せてしまうような人が住んでいるところや神社仏閣などになります。麻布の中でも元麻布1丁目の辺りは、神社仏閣が非常に密集しています。興味のある方は地図を確認していただければわかりますが、狭いエリアにこれだけお寺や神社が集まっているエリアはめったにありません。(2)へ続く。