先日、マンションを1棟持っているオーナーさんから、相談を受けて、建物全体のお祓いをして、建物の周囲に結界を張ってきました。オーナーさんによるとこのマンションは周辺にある同じような築年数で同じような広さ・賃料のマンションと比べても異常に空室が多いのです。それはこの土地を購入して、マンションを建設した当初からずっと改善されていません。不動産物件として見た場合、駅に近くて利便性が良く、築年数もまだ新しいので入居率はもっと高くなっても不思議ではないのです。それが人によっては入居後半年もたたないうちに転居してしまうというのです。新築で建てたマンションですから、前に住んでいた居住者が自殺したとか、事故死したといったこともありません。マンションを建ててから満室になったことは一度もなく、常に2割ぐらいの部屋が空室になっています。そこで私に一度マンションを観てもらいたいと連絡があったのです。

 

私はこのマンションを観て、非常に強い土地の因縁を感じました。この土地に建つと、泣き叫んでいる男女の顔が何人も出てきたり、「家に帰らせろ」という怒鳴り声が何度も耳にこだましました。私はオーナーさんに尋ねました。

「このマンションが建つ前はこの土地はどのようになっていたのですか?」

オーナーさんは後ろめたそうに答えました。

「廃業した古い病院が建っていたので、取り壊してマンションを建てました」

私はオーナーさんの言葉に納得しました。

「病院に隔離病棟がありましたよね」

「はい、診療科目には精神科もありましたから、隔離病棟はありました」

 

最近でこそ、精神科の隔離病棟でも患者さんの人権に配慮するようになりました。しかし、お金儲けや管理上の問題から、昔は患者さんに対してひどい対応をする隔離病棟はたくさんあったのです。

 

以前、私が相談を受けたお母さんは、息子さんから強く勧められて、娘さんを精神病院へ連れて行って半ば強制的に入院させました。私から見て娘さんは精神を病んでいるところはまったくありません。ただ、息子さんと兄弟の仲が悪かっただけです。息子さんは自分の意見を聞き入れない妹さんを「頭が狂っている」と決めつけて、お母さんを脅かして精神病院へ行かせたのです。

 

さらに悪いことに、この精神病院では、お金儲けのためにやってきた患者はそのほとんどを入院させていました。そして、一度入院させた患者はさまざまな理由をつけて、何年間も隔離病棟へ入れて退院させないのです。そして多くの患者さんが、退院できないまま隔離病棟で命を落としたのです。兄に精神病院へ入れられたこのお嬢さんも、あとで話をきく治療と称してとんでもないことをされていたのです。(2)へ続く。