関越トンネルを抜けて新潟県に入った後、しばらくは快適なドライブが続きました。この辺りはまっすぐな直線道路が延々と続いています。北海道にもこういった直線道路がありますが、視界の届くところまで続くまっすぐな道はとても気持ちの良いものです。しかし、一瞬意識が飛んだあと、ふと我に返ると私の10mくらい後ろに赤色灯をつけたパトカーが付いていました。私は車を運転している時は、前方は当たり前ですが、後方や側面にもものすごく注意を払います。特に高速道路では、後方は前方と同じくらいにチェックしています。したがってこのような延々と続く直線道路で赤色灯を付けたパトカーが私の真後ろに来るまで気付かないことなどあり得ないことでした。
私は警察官の指示に従って車を路側帯に止めて違反切符を切られました。警察官は「パトカーが後ろにいることに気づきませんでしたか?」といぶかしげに私を見ました。警察官は不思議に思ったかもしれません。パトカーが後ろについている状態で、スピード違反をするドライバーは普通はいるはずがありません。30年数年ぶりのスピード違反でした。ただ、捕まったとき、私は内心ホッとしたのです。関越自動車道に入ってから、今日は何か悪いことが起こる予感はずっと続いていました。それがスピード違反と分かった時、正直「大事故でなくてよかった」と思ったのです。
このあとも時々意識が飛んでいて、嫌な予感はぬぐえませんでしたが、特にトラブルはなく現場に到着しました。私は浄霊へ向けて問題となっている土地に立って何がどのように災いして、今どのようなものがこの土地に棲んでいるのかを探りました。そして土地に結界の起点となるカミナリ水晶や天眼石の丸球を埋めて静かにマントラを唱えました。そして帰路は何ら問題はなく東京に戻りました。
私は家に着いた後、とりあえず無事に帰宅できたことに安堵しました。ただ、帰りも続いていた嫌な感じが気になって車の状態を再点検しました。すると、やはりありました。ボンネットが凹んでいたのです。大きな凹みではないので気付きませんでしたが、まるで人間が手で上から強く抑えつけたように2か所、凹みがありました。ボンネットが凹むというのは、何か上から物が落ちてこない限りあり得ません。そしてずっと車を運転していた私が、もしそのようなことがあれば気付かないこともないのです。
不浄霊は生きている人間と同じように意思を持っています。そして自分の意思に反して誰かが敵対してくると感じれば、必ず対抗して攻撃を仕掛けてきます。自分たちの力を示して敵対するものを退散させようとしてくるのです。この不浄霊の攻撃を予兆としてとらえることで、最悪の事態を回避したり、問題の本質を特定することができます。浄霊は不浄霊を供養することですが、同時に戦いでもあります。今回もまた、厳しい戦いが始まります。