また、仕事に向かう姿勢もポイントになります。攻めている時はとても強い人でも、守勢に回るとすぐにへこたれてしまう人がいます。つまり、良い状態で仕事を続けていくためには、攻めの姿勢で仕事に取り組んでいた方が良いのです。私はよく”仕事には受動態ではなく、能動態で取り組んでください”と話します。多くの人は仕事に取り組む姿勢が受動態になっています。仕事に生きがいややりがいを感じることなく、生きていくための手段として仕事をしています。自分や配偶者の生活費を稼ぐため、家賃やローンを支払うため、子供の教育費を支払うため、それだけを理由に仕事をしている人は、仕事自体に興味や楽しさを感じません。

 

時計を時々睨みながら、仕事が終わるまで、あと3時間、あと2時間、あと1時間と時間を確認しながら仕事をしてはいないでしょうか。こういうスタンスで仕事をしている状態は、生活のため、生きていくために働いているだけですから、仕事をする時間は忍耐の時間でしかありません。受動態で仕事をしていくとき、これほどつまらない時間はないのです。

 

自分のしている仕事に対して、さまざまな角度からもう一度見つめ直してください。多くの人は自分目線で仕事を見つめる癖がついています。それをお客様目線、上司の目線、社会との関わりや役割、そういった普段とは違う見方で見つめ直すのです。そうすると毎日つまらなかった仕事の中に、興味ややりがいにつながるヒントを見い出すことができます。どれだけ小さなきっかけでも良いのです。それを見つけたら、そこにフォーカスを合わせて仕事を見直していきましょう。そして、もっとより良く仕事をしていくためのアイデアを考えて、それを実行してみましょう。これは言い換えると、仕事を見つめ直して改善していこうとする作業になります。上司から業務命令を受けたわけではなく、自ら仕事をより良く実行していくための一歩を踏み出すのです。これが能動的に仕事に取り組む姿勢です。

 

こうやって自分の気持ちの中にプラス思考の種をまければ、それはやがて芽を出して、枝葉を付けて大きく育っていきます。結果的に自分のアイデアが有効に機能してもしなくても、より良く仕事をしていこうとしたあなたの行動は確実にあなたの意識を変えていきます。能動的に取り組む仕事は、あなたに大きなやりがいや達成感をもたらしてくれます。それを感じながら仕事へ向かうとき、あなたの疲労度は今までの半分にもさらにその半分にも軽減されます。

 

今、自分の仕事がつまらないと感じている皆さん、生活のために我慢して働いていると感じている皆さん。仕事が楽しいのか、生きがいややりがいを感じられるのかどうか、それはあなたの仕事の内容によって決めらているわけではありません。あなたがどのような姿勢で仕事に取り組むのかによって、あなた自身が決めていることなのです。