先日、子宮の病気になった女性が、霊能者と称する人から、その原因は「あなたが中絶した水子の祟り」と言われたと私に相談に来ました。”水子の祟り”という言葉はよく耳にします。確かに中絶した経験のある女性からすれば、授かった命を自分の意志で堕胎させたことに対する後ろめたさがあります。そのため祟りだと言われれば、どうしてもその言葉に引っかかってしまいます。ただ、私が今までに何万人という方々を観てきた中で、水子の祟りによって人生がゆがめられたと感じた女性は数人ぐらいしかいません。

 

水子の祟りというのは、生まれてくることの出来なかった子供が、自分を生んでくれなかった母親を恨んで祟るという論理です。私は元々この考え方に疑問を持っていました。確かに命を授かったのに生まれてくることができなかった子供は不憫です。ただ、だからと言って自分の母親をひどく恨み祟るものなのでしょうか。誰が言い出したのかは知りませんが、いつの頃からか「水子の祟りは怖い」という認識が当たり前のようにこの世界に広がり、そんな空気がこの世界に蔓延していました。

 

ただ、妊娠して子供を産むことができなかった母親は、それが自分の意志でしたことでも、自分の意志によらないケースでも、誰よりも自分自身を責めて悲しみにくれています。生まれてこれなかった子供は本当にかわいそうでしたが、母親だって子供と同じくらいに傷ついて悲しくて切なかったはずです。そんな母親を子供が恨み続ける道理はありません。

 

私が婦人家系の病気の原因として、確かに水子の存在を感じた数人の女性は、次々と数多くの男性と肉体関係を持ち、妊娠したときには何ら心を痛めることもなく子供を中絶してきた人たちです。まるで遊びの延長のように、妊娠した子供を次々に中絶しても平然と男遊びを続けてきた女性たちです。これでは命を絶たれた水子が恨むのも尤もだとうなずけるような生き方をしてきた女性たちなのです。遊びの好きな女性も男性もたくさんいますが、ここまで命をないがしろにする人はほとんどいません。ですから子供を産むことができずに自分を責めたり、心の痛みに震えているほとんどの女性には水子の祟りはありません。今まで祟りや憑依によって人生をゆがめられてきた何千という人たちを除霊してきた私がそのように感じているのです。

 

今までに流産したり中絶したりして子供を産むことのできなかった経験がある方は、静かな気持ちで手を合わせ水子の成仏を祈っていただければ、それで十分です。子供は大好きな母親をそんな簡単に恨むことはありません。そして生まれてこれなかった魂は、いずれまたあの世へ上がり、来世へ生まれかわる準備に入ります。そして来世ではきっと新しい肉体をまとって人生を生きていくことになるのです。

 

この女性は水子の祟りを祓う謝礼として何百万円というお金をこの自称霊能者から請求されたそうです。そうしないと子宮の病気はやがて癌になって命を落とすと言われたそうです。こんな高額のお金を支払うことのできないこの女性は困り果てて私に相談してきました。私は今述べたことをこの女性に伝えて、「あなたの病気は肉体に起因しているものですので、霊的な対応は必要ありません」と話しました。それでもこの女性は水子のためにマントラを上げて欲しいと私に依頼してきました。私はホームページに記載した通りの施術料(3万円)をいただき精一杯マントラを唱えました。