先日、たまたま見ていたテレビで人間の言うことがわかる犬が映し出されていました。この犬は人間の質問を的確に理解して、しゃべることは出来ないので、体の動きで回答していました。2択や3択で質問するとちゃんと回答を選び出しています。テレビの映像ですからおのずと編集はされていると思います。つまり、放送されていない場面で、誤った回答もあるとは思いますが、オンエアされている映像では、見事に全問正解していたのです。
私が子供の頃に通っていた塾で先生が猫を飼っていました。エミと名付けられた三毛猫は、足し算ができるということで、一時期近所で話題になりました。先生がエミに「2足す3は?」と尋ねるとエミはちゃんと尻尾を5回振るのです。ただし、実態はエミが足し算を理解していたわけではありません。先生は「2足す」というときに、エミのお尻を2回叩きます。そして「3は?」というときにもお尻を3回叩きます。つまり、エミはお尻を叩かれた回数だけ尻尾を振っていたのです。そのからくりは子供の私にも分かりましたので、”足し算ができる猫”の話は、すぐに下火になってしまいました。
私は時々、飼っているペットや亡くなってしまったペットの気持ちを教えてほしいといった依頼を受けます。霊視は観る相手と霊的な波長が合うことで成立します。波長は人それぞれで異なりますので、私の波長と同調できる範囲の波長を持っていれば、その人の過去や未来を観ることはできます。これは動物でも同じです。ただし、動物の波長はそもそも人間の波長とは性質が異なります。私は人間ですので、相手が人間の方がつながれる範囲は広がります。ただ、動物はつながれる範囲は狭くても、同調できるとある意味、人間よりも明確に思いは伝わってきます。そしてペットは往々にして飼い主が考えていることとは違うことを思っていたりするのです。
”100万回生きたねこ”という素敵な絵本があります。この本はすでに累計で200万部以上も発行されたベストセラーです。この物語の中で、主人公の猫は王様や船乗りや泥棒など、さまざまな職業の人に飼われます。やがて猫が死んでしまうと飼い主は一様に悲しみにくれます。ただ、当の猫はまったく悲しんでいません。それは猫はどの飼い主も大嫌いだったからです。ここまで極端でなくても、ペットは飼い主が見ている世界と別の世界を眺めていることが多くあります。
私が波長が合った時に、動物の思いを明確に感じ取れるのは、動物は人間のように面倒な思考を持たないからです。人間が毎日1万個のことを考えているとすれば、動物は百ぐらいのことしか考えていません。思考がとてもシンプルなのでその思いは分かりやすいのです。
私が若かったころに、自分の能力を鍛えるためにさまざまな訓練をしました。私には特に師匠がいたわけでもなく、マニュアルもありませんでしたので、今にして思えば的外れなこともたくさん試しました。その中で自分の念を送って人を振り向かせようと頑張ったことがあります。通りのベンチに座って、目の前を通り過ぎる人たちに念を送りました。続けていくうちに何回か成功して振り向いてくれた人が現れました。ただ、たまたま猫が私の前を横切った時に、猫に念を飛ばすと猫はすぐに振り向いて私の方へ進んできました。波長さえ合えば、猫は人間よりも高い確率で私と同調したのでした。