私には霊的な問題について、それを解決してほしいという依頼はもちろん、健康やお金、仕事や恋愛などさまざまな悩みを抱えている方から相談が来ます。人は自分の進む方向に自信が持てなくなり、どちらへ進むべきかと考える中で、悩みは増大していきます。今まで高いモチベーションを維持しながらがむしゃらに働いてきた仕事でも、会社の体制が変わったり、上司が変わったり、経営が傾いてくれば、「このままこの仕事を続けていってよいものなのか」疑念が生じます。今まで20年間仲良く連れ添った配偶者でも、お互いに刺激が無くなり、小さなすれ違いを繰り返していく中で、「これから先も今の相手と夫婦生活を続けていった方がよいのか」迷いが生じます。従業員を何千人も抱えて発展している会社の社長でも、「このままこの体制で会社を続けていて良いものなのかどうか」進む道筋を模索しています。

 

ましてや行きたくない部署へ異動になったとか、夫に暴力を振るわれたとか、会社の売り上げが急激に下がったとか、何か具体的な問題が生じれば、益々今の自分に自信を失い、将来に不安を感じ、どちらの道へ進むのか苦悩することになります。私に相談される方は、その内容はそれぞれで異なっても、皆さん、このような状況の中で進むべき具体的な道筋やヒントを私に求めてきます。

 

この際、答えが〇と×の選択肢であれば、誰でも明確に回答を出すことができます。〇と〇の選択肢でも何ら問題はありません。しかし、ほとんどのケースでは×と×の選択であったり、×と△の選択肢しかありません。だから私に尋ねてくるのです。そして多くの場合、どちらの道筋を選んでも後で後悔することになります。自分の選んだ道筋が厳しければ厳しいほど、逆の道筋の方が良かったと思うからです。しかし、このようなケースでも、もし本当に逆の道筋を進んでいたら、今以上に苦しい現実に直面することになっているのです。

 

ですから迷ったときは、あとで”後悔しない選択をしなさい”といいます。それはもっともですが、私は分かる範囲でできるだけ明確な方向性を示します。それとともに「覚悟を決めてください」と答えています。「覚悟を決めるということ」は、苦悩から自分を解放するために非常に有効だからです。

 

悩んでいる問題を突き詰めて考えていくと、悩んでいる問題の内容よりも、自信を失って悩んでいること自体が自分を苦しめていることが多いからです。良い方の道筋を運よく選べたとしても、それで100%バラ色の人生になることはありません。良い道筋の中にも嫌な思いをしたり、トラブルに直面することは必ずあります。そうであるなら、じっくりと考えて進むべき道を決めたら、そこでしっかりと覚悟を決めることで気持ちはかなり楽になるのです。迷ったり悩んだり自信を失っている状態の苦しさは、悪い方の道筋を進むときの苦しさよりも大きいのです。最近、私に相談された人の中にでは、こういったケースがかなり増えてきたように感じます。