私がこの社長に感心するのは、純粋に自分の感性だけで自分が進むべき方向性を感じ取っているからです。私にしても、自分の感性で感じ取っていますが、同時に、左脳を働かせてその裏付けを求めています。これは私の性格上の問題でもありますし、感性だけで進むことに対する不安感がロジックを求めているのです。
たとえばパワーストーンを持つことで自分の願いが叶えられたとします。そうなると、「どうしてパワーストーンを持つことで願いが叶えられたのか。そこにはどのようなメカニズムが働いているのか」私はそこを考えてしまうのです。
まず、人は各人で別個の霊的な波長を持っています。パワーストーンもそれぞれが別個の波動を持っています。ですから自分の波長に合う波動を持ったパワーストーンを選ぶことが必要です。パワーストーンにはその人の願いがかなっている未来を念じ込めます。人の波長と石の波動が合うと、パワーストーンの込めた未来は、持ち主に伝わり入り込みます。人間の行動は意識的に考えてすることよりも、無意識のうちにやっていることの方が多くあります。であるならば、持ち主に願いのかなった未来像が浸透することにより、持ち主の無意識にしている選択・判断・行動は、その未来が現実化するように変化していきます。だから願いを念じ込めたパワーストーンを持つことによってその願いは現実化されるのです。と、私はこのように考えているのです。
ただ、この社長は私とは全く別の思考を持っています。自分の波長に合ったパワーストーンを持つと願いが叶うといいます。そんな未来を体験している人が現実にいます。だから私もパワーストーンを持ちました。そして願いは叶いました。
実にシンプルで無駄がありません。自分の願いを叶えるためにパワーストーンを持つときに、そこに根拠やロジックは本来必要ありません。どのような理屈があっても無くても、持ち主は願いが叶えばよいのです。たとえばMBA(経営学修士)を持つような経済の専門家が、膨大なデータに基づいて株価の値動きを予想したとします。そこで導かれた答えも勝率100%、つまりすべてを正しく判断できることはあり得ません。予想に反して上がると予想した株価が下がってしまうことだって現実にあるのです。そのとき、もし株価ボードを見つめていた一人の子供が、一つの銘柄を指さして、「おじさん、この株は上がるよ」と言って、本当に上がったとします。そのとき投資家にとってどちらの情報の方が有効であったのかは言うまでもありません。
私たちは何かの選択・判断・行動を取るときに、その根拠を求めたり、ロジックを確認したりします。ただ、ポイントはその理屈が正しいかどうかではなく、結果が未来に直結したのかどうか、本来はその点にフォーカスを合わせるべきなのです。
自分で感じたことの整合性を一つ一つ確認して、選択・判断・行動するする私と、自分の感性にしたがって選択・判断・行動を決めているこの社長と出された答えはほとんど一致します。ただ、そのプロセスを考えた時に、私は実に多くのエネルギーを消費して遠回りをしています。一方でこの社長は私の何分の一のエネルギーで同じ答えにたどり着きます。言ってみれば私は実に燃費の悪い生き方をしますが、この社長の燃費は抜群に良いのです。
だから知識や経験だけでなく、自分の感性を磨くことは必要なのです。研ぎ澄まされた感性を持っている人は、仮に知識や経験が皆無である問題に対しても理屈抜きで正解を見出すことができるのです。