今は浄霊を実行しています。浄霊とは人に憑依した不浄霊によって人生をゆがめられているような場合に、その霊を祓い、祓った上であの世へ押し上げて成仏させる作業です。普通は憑依した不浄霊を祓うことで、悪影響も無くなります。ただ、ご先祖の因縁因果など、その人に憑く(執着する)理由があるケースでは、不浄霊を祓ってもその霊は現世にとどまりますので、また舞い戻ってきて憑依を繰り返します。除霊では憑依している霊に対して、戦って追い出す過程でかなり”嫌な思い”をさせます。それゆえに出ていきます。ですから祓った不浄霊が現世にとどまっていても舞い戻ってくることはまずありません。作業としては祓って終了できるわけです。
ただ、強い因縁があって憑依してくる霊は、自分が嫌な思いをするとしても、それでも相手を苦しめ、人生をゆがめようとする思いが強いので、また舞い戻って憑依してきます。そこで除霊を繰り返してもきりがありませんから、祓った上で成仏させることになります。一度、あの世へ上げた霊は、再びこの世へ戻ってくることは出来ません。したがって問題を完全に解決するためには、除霊ではなく浄霊が必要なケースもあるのです。
浄霊では、元凶のなっている不浄霊が自分に霊的な波長の近い、他の不浄霊を呼び込んでいるケースがほとんどです。したがって憑依している人から元凶になっている不浄霊を祓う前に、この引き込んだ不浄霊を祓い除けていかなければなりません。古い霊になると、憑いている期間が長いので引き込んでいる不浄霊の数が多く、この作業だけでも手間取ることもよくあります。
今回の浄霊でも元凶になっている不浄霊もかなり執着の強いものですが、引き込んでいる不浄霊の中にもかなりしつこく執着している霊がます。それも私からすると、もっとも難しいタイプの霊で、過去にも怖い思いを何度もさせれてきた不浄霊です。それは”戦前の看護婦の霊”です。私は昔の陸軍病院の跡地などで起こった霊現象を解決するために、何度か現地を訪問したことがあります。私はこの仕事をしている中で、何度も危ない目に遭っていますが、ある関東地方の陸軍病院の後に運営された廃病院で経験した不気味な体験は今でもはっきりと覚えています。
私がその廃病院の経営者と現地を訪れた時、その建物の前に着くなり、この病院に執着している看護婦の霊が迎えに出てきました。病院の入り口に車を止めて、建物の前まで進んだ私が何気なく建物の全景を眺めていると、最上階の左端の部屋の窓からこちらを無表情で睨んでいる看護婦の霊と目が合いました。その看護婦は丸い昔のナースキャップをかぶり、キャップの全面には、真っ赤な赤十字のマークがついていました。ハイネックのような首まである真白な制服を着て、スカートは床に届きそうなロングスカートをはいています。そして私と目を合わせた後、無表情だった顔に不気味な笑みを浮かべて、私を睨んだまま、そのままの姿勢で左端の部屋から右端の部屋まで一気に移動したのです。窓と窓の間にはもちろん壁があるのですが、その壁をすり抜けて笑顔を浮かべて動いていったのです。この件は一度、このブログでも触れことがあります。
そのあともこの戦前の看護婦には何度か遭遇しているのですが、毎回苦しめられていて、私にとってはもっとも見たくない相手の一人です。今回の浄霊では、元凶になっている不浄霊が引き込んだ不浄霊の中に、この看護婦の霊が紛れ込んでいるのです。ただ、この取り巻きの不浄霊を祓わないことには、元凶となっているものと対峙することは出来ません。本心を言えば、まったく関わりたくないものですが、これからこの不浄霊も祓わなければなりません。おそらく今夜が山場になります。気を引き締めて臨みたいと思います。