以前、たまたまテレビを見ていた時、元プロ野球選手で監督としてもチームを何度も優勝させた野村克也さんが出演していました。野村さんは一時、”野村再生工場”とか”データ野球”と言われ、怪我で第一線を退いていた選手を復活させたり、相手チームのウィークポイントをデータから導き出してそれを作戦に生かして輝かしい実績を残しました。現役時代は1954年から1980年までの26年間、監督としては、プレイングマネージャー時代を含めて、1970年から2009年までの間に、24年間もプロ野球の監督としてチームを率いていました。これだけ長年にわたって、プロ野球界で活躍してきた人ですから、さまざまな記録も打ち立てました。打者の場合、何の記録に注目するのかと言えば、間違いなくヒット数とホームラン数になります。野村さんのヒット数は2901安打で張本勲さんに次いで日本プロ野球界では第2位です。ホームラン数は、657本で王貞治さんい次いで第2位です。野村さんはテレビ番組の中で「俺はいつでも1番にはなれなかった。いつも俺の上には誰かがいて、アイツらがいなければ、俺は歴代ナンバー1になれたんだ」と話していました。

 

テレビ番組での発言ですので、野村さんがどこまで本気で言ったのかは分かりません。ただ、つい最近もこの「お前さえいなければ」で怖いをした人がいました。その女性の家では電化製品が誤作動することや、深夜にラップ音が聞こえることが何度かありました。そのたびに怖がって私に連絡が来ていました。私は彼女に、ラップ音の聞こえた部屋や誤作動した家電製品が置いてある室内の画像を写して、添付して送信するように伝えました。それを見ると、何か霊的なものがいた痕跡は感じるのですが、霊体が写り込んでいるようなことはありませんでした。

 

実際、室内でラップ音が響いたとしても、それをもって除霊などの対策をすぐに取る必要はありません。一過性のものが室内に入り込んだり、通り過ぎることは比較的よくあることだからです。ただ、それが長期にわたって継続するとか、ラップ音から発展して物が動くとか、心身に強く影響が出るようになれば、それは対処しなければなりません。

 

そういった意味で私は状況を確認していました。ただ、時間が経過する中で、彼女への影響は、電化製品の誤作動やラップ音だけでは済まなくなってきました。寝室で寝ていいると誰かが廊下を歩いてこちらに向かってくる”ミシッ、ミシッ”という音が響くようになりました。その後で突然誰かが体の上に乗ってくる重たさや息苦しさを感じるようになりました。朝になると体のあちこちに痣が残っていることが増えてきました。そしてついに首に手形のような跡がくっきりと残された夜、女性の声で「お前さえいなければ」という言葉が、はっきりと聞き取れたというのです。

 

私は、この連絡をもらったあと、いつものように室内の写メを撮って送るように伝えました。そして画像を確認すると、黒い煙のようなものが室内のあちこちに見て取れたのです。(2)へ続く。