先日、大手証券会社の幹部の方から相談を受けて対面で霊視鑑定を行いました。この方は立場上、個人的に投資をすることはできません。たくさんの内部情報が集まるためにインサイダー取引とされてしまう可能性があるからです。ただ、会社では機関投資家として100億円から場合によっては1000億円を超えるお金を毎日動かしています。仮に1000億円動かしたとすれば、1%の値の上げ下げであっという間に10億円の損得が出ることになります。それだけ大きな責任やプレッシャーのかかる仕事に就いている彼は、スピリチュアルという世界に大きな関心を持っています。そこで3年ぐらい前から1か月に1回は私に会って、スピリチュアルの世界の構造や働き、その実態や修練の方法について勉強しています。

 

彼は有名国立大学の経済学部を卒業したあと、MBA(経営学修士)やUSCPA(米国公認会計士)といった難関の学位や資格を取得しました。この仕事ももう10数年のキャリアがあって、外資系証券会社からスカウトがくるようなやり手です。そんな彼が面白いことを話していました。

「機関投資家は個人投資家が拠出した巨額の資金を運用しています。したがってその運用に当たっては、広く認められた経済理論や経済指標、雇用統計などのさまざまなデータを分析して、値が上がるのか下がるのか、そしてリスクがどの程度のものなのかを判断します。それはある意味”機械的に数値化して評価できるもの”ですが、投資が結果として成功するのかしないのか、そのギリギリの判断には、為替デーラー個人のセンスにゆだねられている部分が大きいのです」

 

彼が言うには、限られた情報や過去のデータを集積して、そこから値が上がるのか下がるのかを機械的に判断することは簡単です。ただ、その判断に投資のすべてをゆだねてしまうと、過去のデータにはない値動きをしたときに全く対応することができずに、大きな損失をだしてしまうことがあるのです。世の中も経済も常に動いていて、常に新しい歴史や常識が作り出されています。それは特異なケースではなく当たり前に起こることです。それに対応するためには、ロジックやアナライズにとどまらず、最終判断にはそこから先を読む力を身に付けなければなりません。そこにはシックスセンスが有効であることもしばしばあるというのです。そのセンスを身に付けるために、彼は1か月に1回私の元を訪れるようになったのです。彼は現実的な視点で物事を考える優秀なビジネスマンですが、向上心の高い彼がここから上を目指していくにはスピリチュアルという世界が、絡んでくると感じたのです。

 

私は以前、このブログで人生を幸せに生きている人について、さまざまな言い方でそれを言い表すことはできますが、”頭で考えることと、心で感じることのバランスの取れている人”と述べたことがあります。人生は常に選択の連続ですが、知識や経験を積むことで、正しい選択をすることはできるようになります。ただ、どれだけ多くの知識や経験を積んだ人でも人生のすべての問題について常に正解を選べるだけの知識や経験を積むことはできないのです。そういったケースでは理屈抜きに、正解を感じ取れるセンスを養うことが、自分を救ってくれることも数多くあるのです。