今日は終戦記念日です。太平洋戦争では資料によって数字は異なるものの、日本人は軍人230万人、民間人80万人が亡くなったとされています。これだけ多くの人が亡くなり、その何倍もの人が傷ついた戦争は、たとえどのような理由があってもやってはいけないものです。人と人とが殺し合う戦争は、何も生みだしません。今も世界のどこかで殺戮と破壊が続いている現実は、人間の愚かさを象徴しています。平和な世界が訪れることを誰もが望んでいますが、人間の持つ欲望や感情は時に人を悪魔に変貌させてしまいます。
先日、学生時代の友人と会いました。彼は大手ゼネコンに勤めています。私も昔、ゼネコンの海外駐在員をしていた時期がありますのでお互いに気が合って仕事の話でも盛り上がります。
彼のスマホにはアメリカの俳優「クリント・イーストウッド」と一緒に写っている画像が何枚も保存されています。彼はその画像を誰かに会えば必ず見せて自慢をしています。なぜ、そんな画像があるのか?実は彼は太平洋戦争の激戦地「硫黄島」に、仕事で数年間も滞在していたことがあったのです。
今、硫黄島は島全体が海上自衛隊の管理地(基地)になっていますので、一般人が上陸することはできません。したがって硫黄島に上陸できるのは自衛隊員や気象庁の関係者など一部の人間に限られています。彼の勤め先は、建物や施設の建設や補修などを請け負っています。そのため彼は硫黄島に滞在することになったのです。そしてクリント・イーストウッドは2006年に公開された映画「硫黄島からの手紙」で主演を務めています。その撮影は実際に硫黄島で行われ、時間にゆとりのあった彼は、いくつかのシーンで撮影に協力しています。彼は俳優ではありませんのでセリフはありませんでしたが、映画の中ではエキストラよりは多少存在感のある役柄で登場しているのです。
実際の硫黄島の戦いは、1945年2月19日から3月26日まで行われました。アメリカ軍は11万人の兵力で上陸作戦を敢行し、日本軍は約2万3千人の兵力でこれを迎え撃ちました。武器や兵力で圧倒するアメリカ軍に対して日本軍は島中にトンネルや塹壕を掘って対抗しました。火山島である硫黄島の地下に掘ったトンネルは、中の温度が40度以上にもなり、湿度も高くて蒸し風呂のような状態でした。それでも当時の日本軍には降伏することは許されませんでしたので、兵士たちは地獄のような飢えや渇きに堪えながら、圧倒的優位なアメリカ軍と1か月以上も戦ったのでした。
その結果、日本軍は約1万8千人が戦死し、アメリカ軍も約7千人が戦死しました。他の資料では日本軍の守備隊20993人のうち、20129名が戦死したとするものもあります。これだけ多くの人たちが、不幸な死を遂げた場所です。私のように霊的な間口の広い人間からすれば、その戦いを想像しただけで具合が悪くなります。彼は私が今、霊能者として活動していることは知りませんが、話はおのずとその方向へ向かって進んでいきました。(2)へ続く。