私は昨夜、東京都足立区にある西新井まで出張鑑定に行ってきました。行きは首都高速道路の鹿浜橋で降りて環状7号線を通りました。帰りは北区の王子で用事がありましたので、西新井から都道307号線(江北橋通り)に入りました。この道を通ると西新井から王子までは混んでいなければ10分ぐらいで到着できます。その距離は直線距離で5キロぐらいしか離れていません。私はカーナビに目的地の住所を入れて車を走らせました。

 

時間は夜10時を回っていましたので道はすいていて運転は快適でした。ちょうど目的地までの中間点には江北橋がかかっています。これは荒川にかかる橋で長さは500mぐらいあります。この橋に近づいたときに異変が起こりました。カーナビの画面が何もしていないのに切り替わっていまい、地図の縮尺が変わってしまいました。ただ、こういったことはしばしば経験していますので、目的地までの道のりはあらかじめ頭に入れています。しかも目的地までは道が蛇行していますが、基本的には道なりで到着できます。ですから私は特にカーナビをリセットすることもなく、そのまま運転を続けました。

 

そして江北橋を通過するときに、突然カーナビの画面が消えました。その瞬間、誰かが私の首筋をスーッと触ったのです。その手と指の感触はしばらく残り、ずっと鳥肌が立って消えません。私の体は明らかに邪悪な霊に対して反応したのです。私はすぐにルームミラーを見ましたが、そこには何も映っていません。ただ、運転席の窓に白い砂のようなものの手形が2つくっきりと付いています。細い指で大きさは大人のサイズです。さらにフロントガラス越しに見る正面の景色の中に白いワンピースを着た女の人が左から右へスーッと通り抜けていきました。私は即座に大きな声を出して、霊に対抗するマントラを唱えました。そしてアクセルを踏み込んで、一気に江北橋を渡ったのです。

 

それからしばらく走ると道は見慣れた王子の街並みに変わりました。私の心身も霊に対する警戒態勢は解除されて普通に戻りました。カーナビもスイッチを入れると正常に作動しています。私はホッと胸をなでおろしましたが、ここでビックリしたことがあります。車内の時計を見ると、カーナビが誤作動した時から40分が経過していたのです。江北橋から王子までは3キロぐらいしかありません。道はすいていましたし、迷うような脇道もない幹線道路です。そして何よりも私自身が道に迷ったり、渋滞に巻き込まれた記憶がないのです。

 

私はいったいどこをどう走っていたのでしょうか。私は家に帰るとすぐに自分の通った道を地図で確認しました。それを見ても私が途中で迷子になったとは考えられません。ただ、江北橋をインターネットで検索すると、都内の心霊スポットとしてその名前が挙がっていました。そこには”女性の霊がたびたび目撃されている”とか”不可解な交通事故の多発地帯で、照明の増設やお祓いが過去に行われた”と記されていたのです。この女性の霊は非常に危険な霊でこのままではまた交通事故は繰り返されます。早くきちんとした対応をしてこの不浄霊を祓っていただきたいと願うばかりです。