子供のころに、TBS系列で「怪奇大作戦」というテレビドラマが放送されていました。さまざまな怪奇現象や科学犯罪のトリックをあばく「SRI」(Science Research Institute)科学捜査研究所)の活躍を描いたドラマです。このドラマでは人間が溶けてしまったり、油絵に描かれた弓矢を持った女性が絵の中から飛び出して人を殺したりと、子供には衝撃の強い映像がしばしば流されました。とても怖いドラマでしたので、今でもさまざまなシーンが記憶に残っています。

 

怪奇大作戦か他の番組かその点の記憶はあいまいなのですが、心に残っているドラマがあります。団地に住んでいるサラリーマンのおじさんが、お酒に酔って深夜に千鳥足で自宅へ向かって歩いています。このおじさんは確か酔って転んでしまったのだと思います。その瞬間に時間や空間の流れがたまたま悪い意味で一致してしまいます。このおじさんは立ち上がり、今までと同じ景色の中を家に向かった歩き出します。そして自分の住む団地の部屋へ帰宅します。そして家のブザーを鳴らすと妻が玄関のカギを開けて出迎えますが、妻はこのおじさんを知りません。そのため玄関で押し問答になり、家の中からはおじさんの子供たちも玄関にやってきますが、子供たちもこのおじさんを知りません。自分が生きていた世界と時代も景色も全く同じなのですが、このおじさんは別の世界にある今の時間へ入り込んでしまったのです。

 

いわゆる”パラレルワールド”です。パラレルワールドとは、宇宙の中で今私たちが生きている世界(=時空)と同じ次元を持つ別世界のことです。4次元の世界や魔界などとは違い同じ次元にある並行世界・並行宇宙・並行時空などともいわれています。これはSFの話にとどまらず、理論物理学の世界でも正物質と反物質の関係から、並行宇宙の存在は否定できないとされています。

 

今私たちが生きている世界についても、それは実態としてその世界があるという確証はありません。厳密に言えば、私たちの認識の中でこの世界が存在しているということになります。人の認識は往々にして実態とは異なることがあります。自分では正しいと認識していたことが、実態としてそうではなかったと後になって気づくことはよくあります。そうであるならば、今私たちが認識しているこの世界が、実はパラレルワールドにある裏側の世界で、実態はその反対側にある世界が実態であるのかもしれません。

 

私はよく意識的にも無意識のうちにも今の世界を離れて過去や未来の世界を感じたり、死んだ人の魂が存在するいわゆる”霊界”で魂とつながることがあります。そういったことを頻繁に繰り返していたり、霊的に敏感になって意識が飛んでしまったりすると、今、目に映り、音の聞こえているこの世界が、現実の世界なのか、別の世界なのか分からなくなることもあります。そんなときは自分の意識を取り戻すために、自分の名前や生年月日、住んでいる住所を自分自身に尋ねて確認します。現実の世界と異なる世界を何度も行き来している私からすれば、パラレルワールドの存在は何の違和感もなくスムーズに受け入れることができます。(2)へ続く。