最近、外国製の洒落たテーブルを購入しようか迷っているという方から、このテーブルを購入しても大丈夫なのかと尋ねられました。その理由は、天板に廃材を使いそれを磨き込んでいたからです。廃材を再利用していることで何か悪い念や思いがこもっていないか心配したのです。幸いこのテーブルには人の念も人の思いも全く感じませんでした。

 

ただ、中古品を購入した場合、めったにないことですが、霊的に見て悪いものが入っていることはあります。以前、都心に一戸建て住宅を建てた方から、「ここに引っ越してきてから家族全員、良いことがなく、特に息子の状態が悪くなっている」と相談を受けました。ご主人は会社で大変な部署へ異動になり、息子さんは原因不明の体調不良でたびたび学校を休むようになりました。奥さんは不安感や苛立ちで夜も寝付けなくなっていました。これらはすべてこの家に引っ越してきてから起こっていたのです。

 

家が新築であることを考えると、家の中に”霊はく”(=その家の中で暮らしていた人たちの重い想念の塊)がたまっていることはありません。自宅へうかがう前にグーグルで場所を検索したところ、家の前がお墓になっています。したがって、私はこのお墓が影響しているか土地に何か憑いているか、そのあたりが原因ではないかと考えました。

 

私はこの方のご自宅へうかがう前に家の周囲とお墓の周囲を何度も回りながら、霊的な感度を上げて問題の原因を探しました。ただ、何度周囲を歩いても、霊的なものの影響は全く感じません。お墓もきれいに管理されていて、不浄霊が集まっているようなこともありませんでした。しかし、家の中に入ったとたん、生ごみが腐ったようなすごく嫌な臭いを感じました。これは現実の臭いではなく霊的なものの臭いです。私は警察犬が臭いを追いかけるように、この臭いの発生源をたどりました。するとご主人の書斎に置かれた高さ80センチぐらいの木彫りの像に行き当たりました。

 

私は奥さんに「この木彫りの像をどこで手に入れたのか」尋ねました。奥さんは「夫が東南アジアへ行ったときに、奥地に住んでいる少数部族から買ったようです。とても貴重なものですが、夫が部族の長老に気に入られたようで特別に譲ってもらった」と答えました。私はその言葉をきいたとたんに全身に鳥肌が立ちました。この像はとても古いものでこの部族の祭祀が行われる際に何度も使われてきました。その祭祀の中には”悪魔祓い”や”呪詛”などもあり、その際に生贄として傷つけた人や動物の血が幾重にも浴びせられてしみ込んでいます。私が感じた”生ごみが腐ったような臭い”とは、この像にしみ込んだ人や動物の生き血の臭いでした。奥さんの言葉を聞いたとたん、私の脳裏にはそのおぞましい儀式の様子がリアルに浮かび上がったのでした。きっと今はその部族でもこういった儀式は行われなくなり、この像は役目を終えて家の片隅に取り残されていたのでしょう。

 

私はこの像がいったいどういう由来のものなのかを奥さんに話しました。そしてただちにお焚き上げをして(=燃やすことで中にこもっている念や思いを天へ上げて)処分することを強く勧めました。

 
その後、この夫婦は自宅の庭でこの像を燃やしました。それからご家族の状態は見る見る良くなっていったと感謝の連絡をもらいました。