昨日、出張鑑定で会った女性は、とても向上心の高い方でした。仕事でもプライベートでも常に目標を立てて、それを達成するために頑張っていました。仕事でも勉強でもスポーツでも、明確な目標を設定して、それを達成するために努力をすることは、自分の力をアップさせることにつながります。ですからこういった考え方自体は何ら間違ってはいません。

 

ただ、向上心を持つこともそれが行き過ぎてしまうと、良い(=幸せな)未来を作り出すことと逆の方向へ自分を進めてしまいます。この方は非常に優秀な方なのですが、目標設定が高いがゆえに、常に目標を達成できない自分を叱責していました。「何で自分は目標を達成できないのか」「どうして自分にはそれができないのか」つまり、いつもできない自分を自分の意識に刻みこんでいたのです。

 

何度かこのブログでも書きましたが、良い未来を生み出すためには、良い行動をとらなければなりません。そして良い行動をとるためには良い思考を持たなければなりません。良い思考を持つためには良い意識を持たなければなりません。つまり、意識がすべてのスタートラインになるのです。そして良い未来が訪れれば、おのずと良い認識が持てます。良い認識が持てれば自然に良い意識が持てます。こうやってプラスのスパイラルが回り出せば、ぐんぐん未来は良くなっていくのです。

 

ですから向上心を持って頑張ることは良いのですが、その結果、自分の意識を悪くしてしまうのであれば、それは本末転倒になってしまいます。向上心を持って頑張っていても、自分自身が苦しくなるばかりで未来も好転することはないのです。ですから私は彼女に、目標設定のハードルはできるだけ低くするように話しました。低いハードルでもそれをクリアすることができれば、一定の達成感は感じられます。その達成感は自分の意識に、”できる自分”を刻み込むことになります。そしてまた次に低いハードルを設定します。そうやって繰り返し、達成感や満足感を感じ取っていくことができれば、おのずと自分の意識は良くなります。意識が良くなることは今述べたように、良い未来を作り出すことに直結していくのです。

 

そういった意味で成功体験を重ねること自体に大きな意味があります。逆に1回の失敗体験は、5つや6つの成功体験をまとめて台無しにしてしまいます。ですから高い目標を掲げるのではなく、少し頑張れば達成できる小さな目標を設定して、それを繰り返しクリアしていった方が、良い未来を作り出すには有効なのです。