私は人の思いや念などを普通の人よりも多く感じ取ります。入ってくる情報量が多いということは、それだけ私を疲労させます。ですからデパ地下のような人混みは大の苦手です。自分では極力人混みは避けているのですが、間違ってデパ地下へ入り込んでしまうと、頭がグルグルと回り出して気が遠くなります。歯を食いしばって意識して目を見開いていないと倒れそうになります。ただ、これは人混みだけが原因ではありません。地下というものも自体が非常に苦しい空間なのです。

 

先日、新潟へ出張鑑定へ出かけた時には、関越自動車道の群馬県と新潟県の境にある長さ約11キロ(上り線11・055キロ、下り線10・926キロ)の関越トンネルを通りました。非常に長いトンネルで過去にはこのトンネルを通過中に、パニック症候群のような状態になって苦しんだことが何回もありました。今回は幸い無事に通過できましたが、トンネルも大の苦手です。

 

2015年に全線開通した首都高速道路の山手トンネルは全長18・2キロの日本一長い道路トンネルです。この道は埼玉方面から都心を通らずに東京湾岸の大井まで抜けられますので非常に便利な道路です。私も羽田空港や神奈川方面へ向かうときによく利用します。ただ、やはり通過中にパニック状態に陥ったことが何度もあります。関越自動車道の藤岡ジャンクションから上信越道で佐久方面へ向かう途中にも連続したトンネルが続きます。私にとって長いトンネルやトンネルの連続は、何よりも危険な交通の難所になります。

 

そういう意味では地下鉄も苦手ですし、以前、恵比寿ガーデンプレイスの地下道を通っていた時にも意識を失いかけて、途中にあるホテルで休んだことがありました。その時に感じたのは、上から下へ落ちてくるものに押しつぶされるようなイメージでした。重力によって地球上にあるすべてのものは地球の中心へ向かって引っ張られています。自転していることで遠心力が働いている地球上のものが、宇宙空間へ放り出されないのは重力のおかげです。重力は人間や車や建物を地球の表面にとどめてくれますが、人の思いや人の念も何か重力に引き寄せられて地球の中心へ向かって引き寄せられているように思うことがあります。だから地下の空間は、重たく息苦しさを感じてしまうのです。

 

人の念や人の思いが重力に引き寄せられて滞留している地下空間。そう考えただけで心の中が重たくなります。やはり、青空と明るい太陽の下で快活に生きていきたいと改めて思います。