先日、出張鑑定で会った女性から、その人が受けている霊障について相談を受けました。元々その方は霊的な間口が広く、交際した男性が浮気をしている状況が頭に浮かんだり、友人が自分の悪口を言っている声が聞こえてきたりしたことが何度かあったといいます。そして今では、朝起きた時に体のあちこちに痣ができたり、何かに引っかかれたような跡が残されているといいます。また、夢の中で首を絞められたり、足首をつかまれたあと、起きてその部分をみると、決まって手形のような跡がついているそうです。元々霊的な間口の広い人は、霊体験をする可能性が高くなります。そして霊体験をするたびに間口は少しずつ広がっていきますので、さらにリアルに霊の存在を感じるようになります。
実際、その女性は思春期の頃によく金縛りにあったり、霊の存在を感じるようになったそうです。それからしばらくはそういった現象は起こらなくなり、20代の後半ぐらいからまた、霊障を受けるようになったといいます。最初はそれほど強いものではなかったものが、時々人のしゃべり声が聞こえてきたり、お寺の鐘の音が聞こえるようなことが続き、今では体に痕が残るほど強く霊障が出るようになりました。そして彼女はこれから先、自分は一体どうなってしまうのか、とても心配していたのでした。
私は自分の経験から彼女に率直に話しました。「きっとこれからは、あなたに影響を与えているものの手や足など、体の一部が見えるようになります。それから見える部分が少しずつ大きくなり、最後にはそのものの顔が出てくるようになります。それは最初は静止画ですが、やがて動画になり、最後はそこに声も重なり、生きている人間を話をするようにリアルに見えてきます」と。
私はさらに続けました。「不浄霊は自分の存在を示し、自分の力を示すためよく示威行為をします。ですから霊はわざとこちらを驚かすような出方をします。例えばベッドで寝ていてふと目を開いた瞬間に、髪の毛を引きちぎられて顔面血だらけの顔が目の前10センチに迫っているわけです。両目と耳から血を流し、鼻が変形している顔が目の前に迫ってきたりするのです」
彼女は恐怖を感じながら私に尋ねました。「シュンさんは怖くないのですか?私はそんな状況には耐えられません」私は落ち着いて彼女に話しました。それは前回書いた”物事の本質を見る”という話です。その中で私は人間の体と魂の話をして、”人の体は魂が寄生するための借り物である”と伝えました。つまりこういった認識を自然の持てるようになると目に見える容姿ではなく、その中の本質を見極める癖がつきます。そうなると、容姿はどれだけ美しくても醜くても、自然と気にならなくなります。血まみれの顔が目の前に現れればそれは驚きますが、そうかといって恐怖を感じることは無くなるのです。
私を含めて霊的な間口が広い人は誰もが自分の意志でそれを求めたわけではなく、そのような状態にさせられてしまったのです。そしてそれは自分がどれだけ否定しても逃れることはできません。ですから日常生活から常に物事の本質を見る目を養っておくと、目に見える恐怖から逃れることができるようになるのです。だから本物の霊能者は皆さんが恐怖で悲鳴をあげるような廃屋の中へも普通に入っていくことができるのです。