あとは”気持ちの切り替え”も大切です。一つのことにいつまでもこだわって気持ちの切り替えのできない人は、人生を重くします。ひどい人になると小学校の時に自分をいじめた相手を50歳を過ぎてもまだ恨み続けている人もいます。きっと本人にとっては忘れられない悔しい出来事だったのでしょう。でも、それをずっと引きずって相手を恨み続けてその人の人生は果たして幸せでしょうか。人生は自分に与えられた時間です。せっかく与えられた大切な時間をこの人は、他人への恨みと憎しみで埋め尽くしてきたのです。恨みと憎しみで埋め尽くされた人生が幸せであるはずがありません。私から見ると自分を襲った嫌な出来事自体よりも、そこに執着して恨み続けていることの方がはるかに不幸な出来事なのです。

 

そうかといって悔しかった出来事は自分で消そうとしても簡単に消すことはできません。それならその出来事は記憶の片隅に残したまま、消去せずに気持ちを切り替えるのです。以前、このブログで書いたと思いますが、私は”人間の心は有限である”と思っています。心の中にある真っ暗な領域は、心の中に何かを入れなければ排除することはできません。例えば悪い男と付き合っていた女性が、「その元彼のことを早く忘れたい」と私に相談してきました。その女性は私に「元彼のことを忘れようと思えば思うほど、その男のことを考えてしまい忘れられません」と話しました。それはそうです。元彼のことを忘れようと思っている時間は元彼のことを考えているわけですから、忘れられるわけはないのです。

 

人間の心が有限であるならば、何か新しいものを心に入れることによって、心の中にある何かが心から出ていきます。もし、この女性に新しい彼氏ができて心の中が新しい彼氏のことでい一杯になれば、元彼の残像はおのずと心から排除されます。心の中に棘のように刺さったネガティブな記憶は、新しく心に入ってきたものによって初めて抜けていくのです。新しく心に入れるものは、自分が好きなものであればあるほど効果が出ます。人間好きなものには集中しやすいので、自分磨きやスキルアップなどではなく、単純に自分の大好きなものを新しく始めてください。そうすることで気持ちは切り替えられます。

 

これは人生の流れが悪い時にその流れを転換するときにも行います。例えば、「ここのところ悪いことばかりが続いて楽しいことが全くない」という人がいます。「どうしたらこの流れを変えることができるのでしょうか」そんな質問をしばしば受けます。そんな時、私の答えは決まっています。

「今までの日常生活の中にない、新たな時間を組み込んでください。今までと同じ日常生活を繰り返す先にあるのは、今までと同じ未来になります。今までの日常生活にない非日常の時間を新たに組み込むことで、初めて未来を変えることはできます」

 

そしてその非日常の時間は自分が集中できるような楽しい時間を入れることがポイントになります。楽しい時間を過ごすことで、自分自身の意識が良くなります。意識が良くなることで思考が良くなり、思考が良くなることで行動が良くなります。だから未来が良くなるのです。さらに未来が良くなれば認識が良くなり、認識が良くなればまた意識が良くなります。こうやってプラスのスパイラルに入ることができるのです。