先日、「車のお祓いをしてほしい」」と頼まれました。話を聞くと、中古車屋さんで相場よりかなり安い車を見つけて、喜んで購入したということです。お店に安さの理由を尋ねると、”事故車”であることをはっきりと告げられたそうです。ただ、車のフレーム(背骨)がゆがむような事故ではなく、前部を損傷して修理・交換をした程度なので、「お買い得だ」と勧められたそうです。

 

ただ、購入してすぐに、走行中に異常振動が起こったり、エンジンから異音がするなど、おかしな現象が度々起こっていて、そのたびに自動車整備工場で点検してもらっているのですが、特に異常は発見できなかったそうです。最近では深夜に山の中のトンネルを走行中に、突然、停電になったように明かりがすべて消えてしまい、危うくぶつかりそうになったそうです。JAFを呼んで調べたところ、ヒューズが飛んでしまったとのことですが、こういったケースはめったに起こることではないと不思議がられたそうです。JAFが到着するまで1時間半ぐらい、真っ暗闇のトンネルの中で、エアコンも聞かない車内で寒さと恐怖に震えながら待っていたそうです。また、その時に風の音が女性の悲鳴のように何度も響き渡り、 何かに顔を触られたような感触もあったといいます。そこでさすがに「これは何かある」と感じて、人づてに私のことを聞いて「お祓い」を頼んできたのでした。

 

霊の波長は電気の波長に近いので、霊の問題で車の電気系統がおかしくなることは十分に考えられます。また、この車の前部の損傷が、もし人をはねていたとか、死亡させてしまったような場合、無念の思いを持ったその人の霊が車に取り憑いてしまうことも十分に考えられます。以前、このブログでも書きましたが、私は過去に何度も車に憑いた霊を祓っています。2009年に起きた島根県女子大生バラバラ殺人事件では、この猟奇的犯行の犯人は、事件発覚の2日後に、高速道路を母親を載せて車を運転中に事故で亡くなっています。この事故では、犯人が運転する車のフロントガラスに、被害者の女性が一瞬、大きくかぶさり、前が見えなくなった犯人が動揺して運転操作を誤ったことが事故の原因であると感じています。車は生き物ではありませんが、日本人形の髪の毛が伸びるように、ものにも思いや霊が憑依することはあるのです。

 

私はお祓いを頼まれた車に近づき、ドアを開けて運転席に座りました。目を閉じて感覚を研ぎ澄まし、全身で気配を感じ取りました。するとすぐに白髪の小柄なお婆さんが現れました。おばあさんは、「痛い、痛い、死にたくない」と大声で救急隊員に叫んでいます。顔面は蒼白で左腕が肩から異常な角度で折れ曲がっています。運転していたのは20代前半の若者です。夜、まっすぐな国道でスピードを出していたため、暗がりからよたよたと道路を横断していたお婆さんを見つけてブレーキを踏んだものの間に合わずに正面から跳ね飛ばしていたのです。お婆さんの魂は死んだ後も強く生に執着していてあの世へ上がることを拒み、この車を恨み続けていたのです。私はお婆さんを供養するお経を心を込めて唱え、あの世へ上がる道筋を示しました。