「何かのアイテムを持たずに霊の影響から身を守る方法はないのでしょうか?」そんな質問を受けるときもあります。例えばお経を唱えることはそれなりに効果があります。”耳なし芳一”という話は皆さんもご存じだと思います。阿弥陀寺に”芳一”という名の盲目の琵琶法師が住んでいました。芳一は平家物語の壇ノ浦の段の名手として知られていました。あるとき、お寺にやってきた武士に乞われて高貴な方のお屋敷へ琵琶を弾きに行きました。それから毎晩琵琶を弾きに出かける芳一を不審に思った住職が、寺男たちに芳一の後を付けさせると、芳一は高貴な方の家ではなく、平家一門の墓地の中で安徳天皇のお墓の前で鬼火に囲まれながら琵琶を弾いていました。住職は芳一が平家の怨霊に魅入られていることを知って、訪ねてくる平家の怨霊から芳一を見えなくさせるために、芳一の全身にお経を書きました。ただし、この時に耳だけお経を書くのを忘れていたのでした。そして訪ねてきた平家の怨霊は、芳一の姿を見つけることはできなかったものの耳だけが目の前に浮かんでいたためにその耳を引きちぎって持ち帰りました。このような話ですが、この時に住職が芳一の体に書いたお経は「般若心経」です。前回も触れましたが私も除霊をするときには、「般若心経」以外にもよく「観世音菩薩不門品第25(観音経)」を唱えます。あとは「不動明王」や「軍荼利明王」など、調伏の効果がある強いご真言も有効です。
また、その際に手で印を結ぶのも有効です。お経・ご真言・印はネットで検索すれば、たくさん出てきますので、霊の影響を受けやすい方は、いざというときに自分を守るために、覚えておくと良いでしょう。またここまで覚えるなら密教で行っている”三蜜加持”という方法を習得されると良いです。これは手で印を結び、口ではご真言を唱え、心の中に仏菩薩を念じ、それを感じることで悪霊にも強く対抗できます。
さらにはアイテムやお経やご真言などに頼らなくても自分自身の意識のありようで多少なりとも霊の影響から身を守ることもできます。ここで”多少なりとも””と言ったのは、霊の問題の本質は霊的な波長が相手と合うのかどうか、この1点だけがポイントで、波長が合ってしまえば何の理由や因縁因果が無くても霊の憑依は受けてしまうからです。この本質は変えられません。
ただ、人は誰でも自分の波長の周りに他の人や霊と送受信可能な枠(=霊的な間口)を持っています。この間口の大きさは人それぞれで大きく異なりますが、枠の中の端の方の波長のものであれば、意識が良い状態のときはブロックすることができます。意識が良い状態とは、1つは人や物事に”感謝している状態”のことです。よく「感謝の気持ちを持つことは大切」と言いますが、それは単に気持ちの問題にとどまらず、このような効果もあるのです。そして”感謝している状態”よりも意識が良い状態とは、”明確な目標に向かって着々と進んでいる状態”です。例えば、”甲子園へ出場することを目標に朝から晩まで野球の練習に励んでいる野球部員”彼らは霊の憑依は受けにくいです。同じように資格試験とか大会など、明確な目標を持って頑張っている時、その人の意識は強くなります。その結果、多少波長の離れたものであれば意識の力でブロックすることはできます。ただし、どれだけ意識の状態が良くても、波長の近いものであれば、確実にその影響は受けてしまうのです。