霊の世界や超能力の世界はよく“非科学的な世界である”と言われます。科学的であるということは、同じ条件の下で誰もが同じ結果を論理的かつ検証可能な形で導き出さなければなりません。たとえば万有引力は地球上のどの地点でも誰に対しても働きかけています。解熱剤を飲めば、いつ誰が飲んでも熱が下がります。だから物理学も医学も科学的なのです。
霊や超能力の世界はどうか。この世界は感じられる人と感じられない人に分かれます。というよりも実態としては、ほとんどの人が検証可能な形で、見たり聞いたり感じ取ることができません。またそれができる人でもその時のコンディションや対象者との相性によっては、明確に感じ取れないこともあります。だから超能力や霊の世界は“非科学的な世界である”と私も思います。ただ、非科学的な世界であることが、その存在をすべて否定することにはなりません。
愛情の量を数値化して測定することはできません。それでも人を愛する気持ちは多くの人たちが持っているものですし、私たちの心の中にその思いは確かに存在しています。非科学的であってもこの世界に存在しているものはあるのです。
先日、出張鑑定でお会いした人から、「私は相手の気持ちを感じ取ることができます。これも超能力なのでしょうか」と質問されました。私の答えは「イエス」です。超能力の世界をその内容から分類したときに“超感覚的能力”と言われるカテゴリーもあります。世の中には人の気持ちの分かる人とまったく分からない人がいます。この能力がだんだんと研ぎ澄まされていくと、誰かと会った時、或いは誰かの写真を見ただけで、その人物の考えていることやその人の状況が手に取るように感じ取れるようになります。程度の差こそありますが、これは十分に超能力の世界です。
私が行っている“霊視”は、まさにこの世界の話です。私の場合は出会った人の波長を感じ取ってそこに同調することで、その人とつながります。私は思い込みや期待、先入観を捨てて、無心になってその人の波長を求めます。
私にも感情はありますから、率直に言えば好きな人も嫌いな人もいます。ネガティブな思いを持ってしまったときは、その思いが無心になることを阻害します。無意識のうちに「その人とはつながりたくない」というスイッチが押されてしまうのです。そんな時は、その人を愛している人のことを考えて、ネガティブな思いを中和します。
どれだけ嫌だと思った人でも、その人の母親や恋人、或いは子供など、その人を愛している人はいます。私は今までに延べ3万人を超える人を見てきましたが、ほぼ100%に近い確率でみんな誰かに愛されています。その愛情や大切に思う気持ちを感じ取れば、その人に対するネガティブな感情は消えて静かに同調することができます。今ではこのプロセスはしっかりと身についていますので、特に感情を鎮めようとしなくても、繋がれる範囲の波長の方であれば、自然に同調することはできます。(3)へ続く。