先日、お会いした人から「人を許すことが大切なことはよくわかっているのですが、嫌なことをされれば腹が立ちますし、腹が立てば”いなくなればいい”と思ってしまいます。どうしたら人を許せるようになりますか」と尋ねられました。人を許すということは、自分自身が怒りや憎しみから解放されるということです。幸せな未来を作り出す上で、自分自身がどのような意識を持っているかが重要であるかは、このブログの中でもたびたび触れてきました。
良い意識を持つことが良い思考を持つことにつながり、良い思考を持つことが良い行動をとることにつながり、良い行動をとることが未来を良くすることにつながり、未来が良くなったことで良い認識を持つことができて、良い認識が持てたことにより良い意識を持つことができる。
このようにしてプラスのスパイラルが完成します。
誰でも嫌なことをされれば腹が立ちますが、自分の気持ちが怒りや憎しみで満たされてしまうことは、自分の意識を確実にネガティブにします。自分の意識がネガティブになると未来がどうなるのかは、上記の流れを見ても明白です。確実にマイナスのスパイラルに陥ります。ですから人を許すということは、相手のために許すと同時に自分の未来を良くするために許すのです。だから人を許すことは重要なことなのです。
よく、いつまでも過去の出来事に執着してしまう人がいます。中学生の時にいじめられた経験を50歳を過ぎてもまだ引きずっている人がいます。そしていじめた人間を今でも恨み続けています。確かにこの人にとっていじめに遭ったことは非常に辛く悔しかったことと思います。ただ、こうなってしまうといじめに遭ったことよりも、そのあとの40年もの間、ずっとネガティブな意識を持って生きてきたことの方が、はるかに不幸なことなのです。もしこの人が、10代のうちに気持ちを切り替えて、この嫌な過去を払拭することができていたら、きっと今よりもはるかに良い人生になっていたはずです。
そういった意味で”気持ちの切り替えができること””楽天的に(=プラス思考で)考えられること”は、幸せな人生を作り出す上でとても重要なことなのです。反対に”物事に執着すること””必要以上にこだわりを持つこと”は、自ら人生を難しくします。
私に相談した方は、信仰を持っていました。私はその方に「嫌な人のことは神様に預けてください。憎むとか恨むのではなく、その人の存在自体をあなたが信じる神様に預けて、あなかたら切り離すのです」と話しました。「あとは神様が判断してくれますから、あなたが考える必要はないのです」
憎らしいと思っている人を好きになることはなかなかできませんし、許すことも難しいならそれは仕方がありません。ただ、その悪影響を受けて自分の人生を悪くしないように、その存在は自分から切り離すべきです。
人間には感情という厄介なものが付いています。感情は理性ではなかなかコントロールできません。人間とはそもそもそういう生き物なのです。だから世の中から、浮気や事件や戦争はなくなりません。人が感情に振り回されたとき、多くの場合、幸せな人生のレールから振り落とされます。そうならないようにするためには、悪影響を与える材料は切り捨てていかなければならないのです。