昨日の夜、用事があって少し離れたところまで車で出かけました。今は難しい浄霊を行っていますので、夕方6時のマントラを唱えたあと、8時半ごろに家を出ました。距離にすると60キロぐらいありますが、途中で幹線道路を離れた山道を通らなければなりません。この山では事件や事故が頻繁に起こり、心霊スポットの一つとして紹介しているサイトもあります。実際、私も何度も不浄霊を目撃していて、車のリアガラスに内側から手形を付けられたこともあります。できれば迂回をしたかったのですが、12時までには戻って浄霊のマントラを唱えなければなりません。近道でもあるこの道を通らなければ、次のマントラに間に合いません。
私は10時には先方に到着して30分で用事を済ませました。普通に運転しても1時間から1時間半で戻れます。夜で道もすいていましたので「何とか間に合うだろう」と、そう考えながら帰りの山道を登っていました。行きには気づかなかったのですが、山道を登りながらふとしたことに気づきました。何度も通ったことのある道ですが、
「この景色観たことがある」
と改めて思ったのです。それは道路から真っ暗な山の中を見た時に、炎のようにゆらゆらと揺れている明かりが山の中腹に点在している光景でした。しかも私はこの景色を前日の夜に、夢の中でハッキリと見ていたのです。霊体験ではなくて”夢”。確かに眠っている間に見た夢の中で見た景色です。さらに言えば、夢の中では、その炎に吸い込まれるように私が山の中に入っていくと、江戸時代のような昔の恰好をした村人たちが焚火を囲って何かの儀式をしていました。そこには生贄となった人が木に縛り付けられていましたが、首から上は切り離されていて胴体と四肢だけがついていました。首のところは真っ赤な血で染まっています。私は大変なものを見たと思い、とっさにここから逃げなければ思いました。そして静かに後ろを振り向いたときに、目の前に白い着物を着た女性が立ちはだかっています。長い髪の毛で顔は隠れていましたが、この女性の両手にはちょんまげを結った男の生首が抱えられていました。驚いた私はこの女性を払いのけるとやぶの中を走って逃げました。村人たちは私に気づいて追ってきました。
「捕まったら大変だ」
そう思って焦っているところで目は覚めました。実にリアルな光景で、全身脂汗をかいていました。
浄霊中はさまざまな妨害を受けて心身に悪影響を受けることがあります。さらに寝ていても悪夢にうなされることもしばしばあります。これはこの山で昔、実際に行われていたことなのか、或いは今浄霊をしている不浄霊が招いた悪夢なのか。そんなことを考えながら山の頂上を越えたとき、車のエンジンがいきなり止まりました。あわてて2度3度とエンジンをスタートさせましたがかかりません。今の車は昔の車のように走行中にエンジンが止まることなどまず起こりません。どこかおかしいところがあれば警告ランプが点灯します。
ただ、以前、強い呪詛を受けていた方の家に結界を張って”呪詛返し”の施術をしていた時、安全地帯に使っていた私の車が壊れたことがありました。JAFを呼んで近くのディーラーに車を運んでもらい調べたところ、エンジンにひびが入っていたというあり得ないことが起こっていました。
今はともかく早く戻らないと12時のマントラに間に合いません。私はとっさに印を結んでご真言とお経を唱えました。そうすると嘘のようにエンジンはスムーズに立ち上がりました。
これも浄霊している不浄霊の妨害なのでしょうか。私は無事に山を下りて12時10分前に戻ることができました。