先日、東北地方にある古い神社へ行ってきました。由来は古く、優に千年以上も前に創建された神社です。境内は広く、景色も素晴らしく、地元では名前が通っている有名な神社です。ただ、私がここまで来た理由は、そんな明るい話ではありません。この神社を訪れたある女性が、それ以来、この神社に関係するさまざまなものによってひどい霊障に苦しめられていました。その方は毎晩眠りにつくと、この神社から流れてくるものによって心身を傷つけられていました。髪の毛をつかまれて顔を思いっきり床に抑えつけられたり、首の骨がギシギシと音を立ててきしむほど強く首を絞められていました。彼女は何度も殺されると思い、悲鳴を上げて目を覚ましたそうです。他にも体を触られるといった嫌がらせもしょっちゅうで、怖くて夜眠ることもできなくなっていました。

 

このよう状態が毎晩続く中で、仕事に集中することなどできるわけがありません。仕事でもミスが続き、当たり前にできていたこともまったく対応できなくなって上司や同僚からの信頼は一気に失っていました。社内でも孤立して、最近では死ぬことばかり考えていると、泣きながら私に訴えてきたのです。

 

私はこの方を守るためにさまざまな方法を実行しました。パワーストーンや神符・霊符でご自身を守ることは勿論ですし、悪いものからブロックするだけでなく、行き場をそらすために身代わりの人型人形を作ったりもしました。ベッドを魔境で囲ったり、室内に結界も張りました。深夜に毎晩、パワーやマントラを送り続けたり、祈祷を行ったりもしました。普通の霊障で対応する処置の何十倍も強く厚く守りを築きましたが、それでもこの神社から流れ込むものは止まりませんでした。

 

このようなケースはめったにあることではありません。なぜここまで力が強いのか。私が浄霊を行う際に浄霊の日数を決めますが、その基準は元凶となっている不浄霊の古さと憎しみの強さの掛け算によって決めます。まずこのケースでは、古さでいえば浄霊で元凶となる不浄霊とは比較にならないほどの古さがあります。浄霊を行う際に元凶となっているものは、古いものでも不浄霊としての体は保っています。具体的に言えば、普通は古いものでも400年とか500年ぐらい前の霊を浄霊します。例外的に一度、鎌倉時代の不浄霊を浄霊したことがありますが、普通はそこまで古い霊はもう霊としての形が崩れています。”霊的な物質”として現世に漂っているだけなのです。

 

ところがこの神社に関するものは優に千年以上も前のものです。霊体としての形は崩れていますが、普通の霊体と同じように長く現世にとどまっていることで、その霊の波長に近い他の不浄霊をどんどん呼び込んでいます。その結果、単体としての不浄霊ではなく、一種の”霊団”のような不浄霊の集団になっています。

 

さらにこの神社の問題では、誰かに対する強い恨みや憎しみに起因して死んだ魂が現世にとどまっているわけではありません。違う理由によって数多くの不浄霊や念がこの神社に棲んでいます。普通は今述べたように元凶となっている不浄霊が自分の波長に合った他の不浄霊を引き寄せます。元凶になっている不浄霊が主役だとすれば、引き寄せられた不浄霊は脇役のようなものです。ところがこの神社では主役が何人も勢ぞろいしているのです。

 

この女性はこの神社と何かの因縁因果があるわけではありません。ただ、霊的な間口が非常に広く、また彼女の波長は、この神社の土地の波動やここに棲むものたちともとても合ってしまっていたのです。(2)へ続く。