除霊や浄霊を行ったあとの反応は、その時の状況にもよりますし、人それぞれで異なります。

早い人だとまだ除霊を行っている途中から体が楽になる人もいますし、除霊が終わってから、或いは除霊が終わってしばらく経ってから状態が良くなったという人もいます。

 

ただ、まれにあるのは除霊や浄霊を行ったあとに、体の状態が苦しくなったという人がいます。普通では考えられないことですが、ご本人がそのように感じている以上、本当にそういうこともあるのです。その際に多くあるのが今お話しした“慣れ”による理由です。

 

除霊や浄霊を行うということは霊の憑依を受けていたからです。霊は物理的なものとは意味合いが違いますが、重さがあります。霊の憑依を受けている方が、よく「何もやる気がしない」とか「1日中体が異様に疲れていてベッドから出られない」と言うのは、人一人分の体重を一日中背負っているようなものだからです。ただ、それが長期間続くと、それはそれで慣れていきます。それが除霊によっていきなり軽くなることは一種の違和感を感じさせます。

 

私はこういった仕事をしているため、毎年かなりの数の除霊を受けています。除霊は憑いている霊を憑かれた人から祓うのではありません。正確に言うと憑いている霊を私が憑かれている人から吸い取って、それを私から抜くのです。その作業を一瞬で行います。一瞬で行うということは、一瞬のタイミングがずれてしまうと吸った不浄霊が私の中にとどまって私から抜けなくなります。そんなことが毎年、数回以上は起こります。そうなると自分に憑いた不浄霊は自分では吸い取れませんから、知り合いに頼んで私の除霊をしてもらうことになります。

 

私の除霊を頼む人間は、私が若かったころに除霊や浄霊のやり方を一緒に修行した人間でお寺の住職などをしています。彼らもしっかりとした除霊のできる人間ですが、憑いている時間が長くなると除霊の後に、私が違和感を感じて苦しい思いをすることもしばしばあります。

 

もちろん祓った状態に慣れてくれば、以前よりも体は軽くなり視界も良くなって心身共に楽になります。ただ、悪い状態に慣れてしまうと、そうなるまでに時間がかかることもあるのです。