人間は誰でも環境や状況に慣れる順応性を持っています。順応性はその環境が良いか悪いかに関わらず発揮されます。そして慣れてしまうとその環境が改善されたとしても逆に違和感を感じます。そしてその違和感は心身の反応として現れます。たとえば都会の空気の悪いところに住んでいる人はそれはそれでその環境に順応しています。夏休みに空気の良い高原でしばらく過ごしていると、環境は良くなったはずなのに、咳や鼻水が止まらなくなったり、発熱や湿疹が出ることもあります。そして今度は家に帰ってくると、またその環境に慣れるまでの間、咳や鼻水が止まらなくなるのです。

 

同じように真面目な会社員をやっていた人が、暴力団が関わっているような裏の仕事に手を出したとします。最初のうちは恐怖を感じたり、ハラハラドキドキしていたものが、慣れてくるとそれが当たり前になって何の違和感もなく悪事を働いたりします。やがて何かのきっかけで反省して、もう一度まっとうな仕事に就くと、今までできていた仕事がとても堅苦しくて勤まらなくなってしまったりします。

 

これは霊的な問題にも言えることです。私がいつもお話ししているように人間にはその人独自の霊的な波長があります。それは指紋と同じように各人ですべて異なります。土地にもその土地独自の波動があります。それは厳密に言えばすべての地域で異なります。波動の高い土地は人を元気にします。大げさに言えば興奮状態に近づけてテンションを上げます。逆に波動の低い土地は気持ちを落ち着けます。テンションは上がりませんがリラックスできます。ですから波動の高い土地は商業地に向いていますし、波動の低い土地は住宅地に合っています。

 

その他にその土地の波動と自分の波長の相性というものもあります。この相性は主に人とのコミュニケーションにおいてポイントになります。自分の波長と土地の波動の合っている地域に住むと、相手に50を伝えようと思うときに、20を言って70を伝えることができます。逆に自分の波長と土地の波動が合わないと70を言っても20しか伝わらなくなります。これはもちろん人間同士の相性を度外視した時の話です。

 

いつも70を言って20しか伝わらないと、仕事でもプライベートでも人と接することで非常に疲れてきます。疲れてくれば集中力が無くなりミスが出ます。ミスが出れば自分の評価は下がり、モチベーションも下がります。その結果、さらに仕事はスムーズに進まなくなるという悪循環に陥ります。「引っ越しをしてから物事が上手く進まなくなった」というケースは、こういった状況に陥っていることが多くあります。

 

ただ、ここでも順応性は生かされます。今まで上手くコミュニケーションが取れないと思っていた場所でも、時間が経てば少しずつ慣れてきます。50を言って50は伝わらなくても、50を言えば40ぐらいは伝わるようになります。

 

これは霊の憑依などでも言えることです。家の因縁因果などの理由で生まれた時から不浄霊の影響を受けているような人は、形や時期が変わっても常に悪影響を受けています。その状態が5年とか10年とか続いてくると、悪影響を受けている中で生きていくことが当たり前になってしまい、足を引っ張られる中で何とか生きていくような癖がついてしまいます。最初から夢をあきらめてしまったり、失敗した時に傷つかないように常に保険をかけたり、逃げ道を作りながら生きていくようになってしまいます。それは排除することはできることなのですが、ひどくすると排除してチャレンジする気持ちも失ってしまいます。(2)へ続く