私が中学生の時、アメリカのホラー映画「エクソシスト」が日本でも公開されました。これは悪魔に憑依された少女と悪魔祓いの神父との戦いを描いたオカルト映画で、衝撃的な映像が展開されて大きな話題になりました。その中でも少女の首が180度真後ろを向いて笑っているシーンは今思い出してもぞっとします。
人間の首が180度真後ろを向くことは通常ではあり得ません。それでは悪魔(霊)の憑依によって人間の体があり得ない動きをすることは実際にあるのでしょうか。答えは”イエス”です。人間の心身について現代の医学や科学で一体どれだけ解き明かされているのかと言えば、私はまだ50%にも満たないのではないかと感じています。もし、医学や科学が万能で、人間についてほぼ完全に解明できているなら、疫病は地球上から無くなり、難病やガンで命を落とす人ももっと大きく減少しているはずです。
実際、私に相談されている方の中で、医師の方は職業としてかなり多くいます。中には強く霊障を受けている方もいて、その先生は自分で薬を処方する前に、「私に不浄霊を祓って欲しい」と言ってきます。それは苦痛の原因が肉体に起因しているものではないという認識がご本人の中に明確にあるからです。それが悪魔なのか悪霊なのか祟りなのか、言葉は異なりますが、何か自分以外の意志を持った存在が、自分の体内にいるという実感があるのです。そして私が行う除霊という作業によって、体内に感じる違和感が無くなり、苦痛から解放されたことを誰よりも自分自身が感じているのです。だから苦痛を感じれば、私に連絡をして除霊を依頼してきます。理屈はよくわからなくても除霊によって楽になるから、除霊を依頼してくるのです。
私は海外の方も含めて、霊障を受けている多くの方に対応しています。朝起きると左右の肩甲骨のちょうど間のところや腰の上部など頑張って手を回しても絶対に届かないようなことろに、刀で付けられたような傷ができているという方がいます。確かにその場所を指で触ることはできません。ですからこれは不浄霊によって傷つけられたものだと考えます。夜、首を絞められた夢を見て、朝自分の首を見ると、首に指の痕が残っていたとか、足首をつかまれて海に引きずり込まれた夢を見たあと、足首に手のひらのあとがついていたという方もいます。本人は眠っていただけで、何かをやった自覚はありませんから、これらは霊の仕業ではないかと思います。
ただ、実際にはそれらは多くのケースで無意識のうちに自分でやっているのです。普通では手の届かない左右の肩甲骨の間にも、霊の力が加わると手は伸びていくのです。伸びているのは霊の手ではなく、霊によって動かされた自分の手なのです。霊はいわゆる”物体”として3次元の世界に存在しているわけではありませんので、人に憑依することでその人の体を使って物事を実行します。ただし、まれに人の体を借りずに霊自体の力によって物事を引き起こすこともあります。ポルターガイスト現象などがこれに該当しますが、これは相当に強く悪いものにしかできないことです。
エクソシストで少女の首が真後ろを向いたように、霊の力が加わると、関節は無限界に稼働しますし、心身にはあり得ない反応が出るのです。