先日、お子さんを亡くされたお母さんから、なぜ亡くなったのか死の真相を教えてほしいと頼まれました。お子さんはまだ二十歳のお嬢さんです。高校を卒業して、就職してまだ2年しか経っていません。毎日、明るく元気に会社へ通っていたお嬢さんは、深夜に家を抜け出して近くの公園へ行って、ジャングルジムにロープをかけて首を吊って自殺したのでした。
首を吊ったロープは、公園の近くの工事現場に落ちていたものでした。子供たちが拾ってきて、この日の夕方、公園でロープを使って遊んだ後、そのまま公園に残していたものでした。つまり、お嬢さんは自殺をするつもりでロープを持って家を出たわけではないのです。
親御さんからしてみれば、自殺の原因は見当もつきません。理由も釈然としないままに大切な娘を失ってしまい、せめて死の真相だけでも知っておきたいと思ったのです。
私はお母さんに尋ねました。
「娘さんにはお付き合いをしている方はいませんでしたか?」
「はい、会社の先輩と付き合っていましたが、1か月ぐらい前に別れて、その後は誰ともお付き合いはしていないと思います」
お母さんはさらに続けます。
「ただ、別れた時はとても落ち込んで食事も喉を通らないようでしたが、最近は少しずつ元気を取り戻していて、お友達と行く旅行を楽しみにしていたんです。ですからそれが原因だとは思えません」
私は過去を霊視して、自殺に至るまでのお嬢さんの状況を探りました。私が感じたことは、
・お嬢さんは会社でその先輩社員と顔を合わせるたびに、非常に落ち込んでいて、失恋の傷はまったく癒えていなかったこと。
・もともと依存体質のお嬢さんは、彼氏を失ったことで、生きる希望を無くしていたこと。
・本当は元彼の顔を見ることが辛くて、会社を辞めたいと思っていたこと。
・親思いのお嬢さんは、親に心配をかけたくなくて、会社を辞めたいという気持ちを伝えることができず、元気を装いながらも、心の中ではずっと泣いていたこと。
これらのことが伝わってきました。
ただ、このことが原因で自殺をするのかと言えば、私の答えは「ノー」です。人は苦しい時、辛い時に「死にたい」と思うことはあります。ただ、「死にたい」と思うことと、実際に自殺を実行することとは、大きくかけ離れています。ましてや親思いのお嬢さんが自分が自殺をした後のご両親の悲しみを考えないわけはありません。また、死ぬつもりで公園へ向かったとも思えません。
私は自殺をしたその時に意識を合わせて、そのときいったい何が起こっていたのかもう一度、霊視をしました。するとそこにはまったく別のものが出てきました。(2)へ続く。