私が除霊やお祓い、或いは結界を張ることを頼まれる場所も人の欲が絡んでいる場所が数多くあります。たとえば定期的にお祓いを頼まれるパチンコ屋さんが何店舗かあり、結界を張っている店もあります。パチンコ屋さんでは営業時間が終わったあとも掃除や売り上げ金の集計などで深夜までスタッフがお店に残ることがあります。霊感の鋭い従業員は、そこで霊体験をしたり、怪現象に遭遇することがあります。また、お客さんの中でも霊的に開いている方は、そういった店舗は居心地が悪いので、おのずと足が遠のいてしまいます。そこで私にお祓いや結界の依頼がくるのです。
繁華街で女性が接客するようなお店でも、よくお祓いや相談を依頼されます。中には結界を張ったお店もあります。こういった場所も欲が絡んでいますので遊びが好きで身を持ち崩して亡くなった霊は、あの世へ上がらずに自分が通った場所に執着して離れないのです。それは女性のいないバーでも同様です。
人間は本来、誰でも弱いものです。ですから何かに依存したり、何かから逃避したり、一時の夢を見たくて欲望に翻弄されます。苦しくて辛い人生の中でも、楽しくて辛さを忘れさせてくれる場所があれば、身を亡ぼすとわかっていても制御が効かなくなることがあります。そういった人間は死んだ後でも、またそこに通ってくるのです。
ですから霊的な意味で危ない場所は、古戦場や災害で多くの人が亡くなっている場所だけではありません。病院やお墓などと同様に欲望が絡んでいる場所も注意しなければなりません。
人は死んで肉体が無くなっても、霊は体が無いだけで生きている人間と同じです。怒りや悲しみなどの感情もあれば、お気に入りの場所にいつまでもとどまっていたいとも思うのです。