私の場合も、結果的には霊感や直感を使うことによってその感覚を磨いてきました。ただ、私は自分の能力を磨こうとしたのではなく、自分自身のおかしな感覚が何なのか、その正体を見極める中で自然と能力を磨いてきたというのが実態です。

 

私は子供のころから、不思議な画像が頭をよぎったり、それがやがて現実となって訪れたりする中で、自分の中で何が起こっているのかその不安や恐怖と闘ってきました。大人にそのことを話せば、忌み嫌われたり、嘘つき呼ばわりするだけでした。そうかといって私の疑問に答えてくれる人も本もありませんでした。私は仕方なく、自分自身で膨大な試行錯誤を繰り返しながら、自分の感じたことが正しかったのか、間違っていたのかを○×で判断しながら、論理づけていくしかありませんでした。

 

たとえばおなかがすいていたので、目の前にあるレストランへ入ろうと思います。普通ならそのまま入るのですが、ある時から入る前に立ち止まり、1分ぐらい考えるようになりました。

「今、このレストランへ入った場合、15分後、30分後、1時間後はどうなっているのだろうか」私はその時の自分の顔を想像してみました。怒っているのか、喜んでいるのか、満足しているのかをです。そして、とても胸騒ぎがして、怒っている自分の顔しか想像できなくても、あえて入ることもありました。

 

すると隣の席のグループが酔っぱらって騒いでいて、こちらは食事どころではありませんでした。それに対して従業員も見て見ぬふりをしていて一言の注意もしません。私はそそくさとおなかを満たして嫌な気持ちで引き上げました。

 

もちろん、私が1分間想像した結果が、すべて的中するわけではありません。それは却ってとても役に立ちました。私の想像が的中した時と外した時の違いは何なのだろうか。そこを追求したのです。

 

私がどのような形で頭に浮かんだ未来は現実化され、どのような形で浮かんだ未来は現実化されないのか。その時の私の体調や精神面の状態はどうなのか。私は自分の感じ方をいくつかのカテゴリーに分けて結果とともにデータを蓄積していきました。そしてそのサンプルが、300とか500とか集まってくる中で、初めて的中するときの感覚がどのようなものなのかが浮き彫りになったのです。

 

また、それをジャンル別、男女別に分けて、さらに細かくデータをとりました。仕事の問題についてはどうか、健康の問題についてはどうか、或いは恋愛やお金の問題はどうなのかなどです。また、私が想像する(=霊視する)対象者が男性と女性で違いがあるのかどうか。或いは、私が好感を持っている方とそうでない方ではどうなのか。若い頃にはこんな試行錯誤ばかりを続けながら生きてきました。

”能力は鍛えれば鍛えるほど磨かれる”

皆さんもこのことを覚えておかれると良いです。(3)へ続く