人を殺した犯人が、殺された被害者が毎晩夢枕に立って自分を責めてくるという話を時々耳にします。そのため犯行を犯してから、ずっと眠ることができず、精神的にギリギリの状態まで追い込まれ、ついには自首してきたという話です。
これも殺された人の魂が恨みを晴らすために現世にとどまってやったことなのか、或いは犯人の罪悪感がそんな幻を見させたのか判断に迷うところです。
2009年10月に発生した「島根女子大生死体遺棄事件」の犯人が警察により、昨年12月に特定されましたが、犯人はすでに亡くなっており、今年1月に被疑者死亡で不起訴処分となりました。
被疑者のデジカメやUSBメモリーは消去されていましたが、警察が復元したところ、被害者や自分の画像、また被害者の死体を自宅の風呂場で損壊している猟奇的な画像が何枚も見つかったことから、この事件の犯人と特定したのでした。
ところが警察が犯人を捜索するとすぐにこの犯人がすでに亡くなっていることが分かりました。犯人の男は被害者のバラバラ死体が発見された2日後に、母親と乗っていた自分が運転する乗用車で単独事故を起こしていたのでした。事故は高速道路のゆるいカーブで左右のガードレールに何度もぶつかり、ボンネットから白煙を上げながら路側帯に停車。車は炎上して犯人は焼死しました。
警察は事故の状況から、母親と一緒に故意に無理心中を図ったのではないかという見解でした。それくらい普通では事故が発生するような状況ではなかったからです。
ただ、このニュースを聞いたとき、私にはマスコミで何度も報道された被害者の顔がフロントガラスに写り込んでいる様子がはっきりと見えました。未来のある女子大生が、何の落ち度もない中で見知らぬ男に殺されて、体をバラバラに損壊されて山中に捨てられる。この無念さや悔しさは察するに余りあります。私が被害者でも現世にとどまり必ず復讐したいと考えます。
霊の問題の根本はいつもお伝えしているように”波長が合うかどうか”で決まります。霊的な波長は指紋のように各人で異なります。この波長が合えば相手と同調して影響を与えることができますが、波長が合わなければつながることができませんので、悔しくても何ら影響を与えることはできません。
この犯人と被害者の波長はおそらく合っていたのだと思います。そうなれば被害者の無念の思いはさまざまな形で犯人へ伝わります。高速道路を運転中にいきなり自分が殺して体をバラバラした相手がフロントガラスにべったりと張り付いてきたらどうなるでしょうか。犯人の車が左右のガードレールに何度もぶつかったという狂気は、被害者の姿を目の前に突き付けられたことで起こったことだと感じます。
私は人の思いの強さや怖さを何度も見てきました。悪いことをすれば(=人から恨みを買えば)必ず報いは受けることになります。今、この悲しい事件に触れて、何よりも被害者のご冥福を祈らずにはいられません。どうか成仏して来世では幸せな人生を生きてください。合掌。(3)へ続く。