先日のブログで、睡眠中に夢か霊現象か判断のつかないとてもリアルな夢を見ることがあると書きました。同じように悪いことをしたり、後ろめたいことをすると罪悪感からくる妄想なのか霊現象なのか判断のつかない嫌な現実に遭遇することがあります。

 

人は強い罪悪感を持つと、それが精神的に自分自身を追い詰めて、ついには現実と見間違えるほどリアルな妄想が見えることがあります。私は子供の頃にテレビで四谷怪談を何度も見ました。

 

ストーリーは、浪人だった伊右衛門が跡取りのいない御家人の娘”岩”を仲介人に紹介されて婿養子に入り結婚します。下級武士で生活は貧しかったものの、岩は献身的に内職をして生活を支えます。そんな中、伊右衛門は上司の妾が好きになります。上司は妾が妊娠したことで邪魔になり、妾を伊右衛門に押し付けようとしました。お互いの利害が一致して、伊右衛門は上司の妾と結婚することにしました。ただ、そうなると岩の存在が邪魔になります。伊右衛門は岩の顔にできた傷を見て、「よく効く薬を買ってきた」と嘘を言って毒薬の塗り薬を渡します。岩は伊右衛門の優しい言葉に喜んで、毎日顔に毒薬の塗り薬を塗りました。しばらくして帰宅した伊右衛門の前で岩は「顔が熱い」と叫んでのたうち回ります。岩の顔は毒薬のせいで一目と見られないように崩壊していたのです。それを見た伊右衛門は「化け物」と叫んで岩を斬り殺しました。

 

そして伊右衛門と上司の妾の結婚式の日がやってきます。結婚初夜に二人が抱き合っていると毒薬で変わり果てた岩が現れます。そして岩に迫られた伊右衛門は乱心して新婦を斬り殺し、自分自身も命を落としてしまいます。

 

テレビでは恨みを晴らすために現れた岩が「伊右衛門さま~」と言いながら恐ろしい形相で伊右衛門を追いかけていきます。その恐さは子供心にしっかりと焼き付いています。

 

さて、ここで伊右衛門が見た岩の姿は、岩の魂が恨みを晴らすためにやってきたものなのか、或いは伊右衛門の罪悪感が見させた妄想だったのか。

 

少なくともテレビを見る限りでは、伊右衛門は岩を殺して捨てたあとも、まったく罪悪感を感じてはいませんでした。そんな男としては描かれていません。ということは、強い恨みの念によってあの世へ上がることのできない岩の魂が復讐するために不浄霊となって現れたということなのでしょう。

 

さらに付け加えると、岩の姿に伊右衛門が驚き逃げ回っているということは、二人の霊的な波長が非常に近かったということになります。霊的な波長は指紋と同じように各人で異なりますが、波長が離れているとつながることができませんので、何ら影響を与えることもできません。実際、テレビの中でも変わり果てた岩の姿は伊右衛門以外の人間には見えていませんでした。

 

私が行っている浄霊も、このような強い恨みを抱えた魂を諭してあの世へ上げていきますので、一長一短にはいきません。時間と労力が必要になります。(2)へ続く