毎日猛暑が続いています。この時期になると海や山へ出かける方も多いと思います。それとともに水の事故が増えるのもこのシーズンです。私は以前このブログで若い頃に海で溺れて死にかけたことを書きました。そのときに海の中から見た景色は今でも目に焼き付いていて、思い出しては恐怖がよみがえります。特にそのことが理由になっているわけではないのですが、考えてみればもう20数年間、私は海へ入っていません。

 

霊が集まる場所と言えば、「湿っぽいところ」とか「暗いところ」とか「ジメジメしているような場所」と言われています。そのイメージは夜の海や深海を想像していただければ、重なるところも多くあります。

 

日中に海岸から眺める海は波間がキラキラと輝いてとてもきれいです。ただ、海水に足を踏み入れた瞬間に世界はガラリと変わり、恐怖が押し寄せてきます。

 

日本の近海だけを考えても、いったいどれだけのご遺体が海底に眠り続けているのでしょうか。戦争で軍艦と一緒に海に沈んだ兵士、嵐で遭難して海に投げ出された方々、海水浴場で溺れて亡くなった人たち。東日本大震災でも未だに行方不明の方の大部分は、津波の引き波で沖へ流されてしまった方々です。

 

そしていつも私が思うのは”海はつながっている”ということです。不幸にして多くの方が亡くなられた東北の海も、若者が国のために散っていった南の海も、今、家族連れやカップルで賑わっている湘南の海も同じ水を通じてしっかりとつながっています。そう考えた時、海で命を落とした多くの人たちの無念の思いが海の底から湧き上がってくるように思えてしまうのです。

 

海の事故のニュースはこの時期は毎日のように伝えられています。水深が50センチでも溺れることがあると言いますが、あまりにも不可解な形で溺れて命を落とされた方がいると、海の底から伸びた手がその人の足首をつかんでいる様子が脳裏をよぎってしまうのです。海流に流され、海底の岩にぶつかって、体が変形した人間のような塊が、楽しく泳いでいる人に突然しがみついて海中に引きずり込む様子が何度も浮かんでしまいます。

 

皆さんも海にはくれぐれも気を付けてください。特に夜の海は危険ですので決して海中に入らないでください。