他に、幸せに生きている人たちに共通しているのは”ツイている”ということがあります。幸せに生きているからツイているのか、ツイているから幸せに生きているのか、それはどちらもあると思いますが、この両者の関係は一致しています。

 

以前、一代で大きな会社を作った社長に誘われて、出張鑑定の後に二人でお酒を飲みに行ったことがあります。その会社はテレビCMを出しているような有名な会社でしたので、席についたホステスたちはその会社の社長だと知ると興味を示しました。

「社長さんはどうやってあんなに大きな会社を作ったんですか?秘訣は何かあるんですか?」

ホステスの矢継ぎ早の質問に社長は笑顔で答えました。

「僕はねえ、若いころからツイている奴としか付き合ってないんだ。付き合う奴がツイていると僕にも自然にツキが回ってくる。そうするといつの間にか儲け話が向こうからやってくるんだよ。そんな良い話を形にしていくうちにいつの間にか会社も大きくなった。だから社員もツイてそうな人しか入れないんだ」

 社長はそういって笑いましたが、これは一理あると思いました。逆に言えば、ツキのない人と付き合うと自分のツキはすぐに落ちて流れは悪くなります。

 

バカラの必勝法に”ツイてない人の逆側に張る”というやり方があります。バカラはプレイヤーとバンカーという2カ所にカードを配り、カードの数字を合計した時の下1桁の数字の大きな方が勝ちという単純なゲームです。お客さんはどちらの数字が大きいのかを予想して大きいと思う方に賭けます。

 

ここでポイントになるのは、ツイている人と同じ方に賭けるのではなく、ツイてない人の逆に張るという考え方です。ツイている人のツキはちょっとしたことですぐに変わってしまいます。しかし、ツイてない人の流れは容易に変えることができないからです。

 

あるとき競馬の得意な私の知り合いが、食事に行った料理屋の女将からこんな質問を受けました。「明日の競馬は何が来ると思う?私どうしても明日の競馬は勝ちたいのよ」

彼はすかさず次のように答えました。「女将のお店にもツイている人とツイてないお客さんがいるでしょう。その中で本当にツイてない人に、明日の競馬は何が来るのか真顔で質問してみればいいよ。きっとその人は女将の頼みなら真剣に考えるよね。そして真面目に考えれば考えるほど、その馬は来ないから。そんなお客さんが5人いれば、5頭は外せるよね。それだけでもかなり予想は楽になるでしょう」さらに彼は続けました。

「どれだけ競馬予想の上手い人でも、勝ち馬を選ぶのはなかなか難しいものだよ。でもツイてない人の運気はそう簡単に好転するものじゃないから、来ない馬は見つけられる」

 

運気は良い運気も悪い運気も感染します。ですから良い運気を持った人の中で過ごすことは自分自身の運気を上げることになり、結果として幸せに生きていくことにつながるのです。(4)へ続く