人は死んで肉体が無くなると、肉体に入っていた魂は肉体を出ます。そして自分が生まれた場所から死んだ場所まで何度も辿りながら、自分の人生を振り返り、自分の人生を総括します。そして自分なりに答えを出して、納得すると魂はあの世へ上がり、生きていた時の記憶を消されます。そしてやがて来世へ生まれ変わります。これが輪廻転生と言われる”魂の定め”で、誰もこのサイクルに逆らうことはできません。
ただ、人を強く恨むとか憎むとか、強く後悔したり、自己否定をしたり、一言でいうとマイナスの思いを強く持ってしまうと、その重荷によってあの世へ上がることができなくなります。あの世へ上がることのできない魂は現世にとどまり続けます。そして負の思いを何年経っても払拭できずにいると、やがては不浄霊となってしまい、悪くすると輪廻転生のサイクルから外れて永遠に消滅してしまいます。
私は先日、電話鑑定でお話ししている時に、久しぶりに不浄霊から嫌がらせを受けました。相談の内容は霊の問題ではなく仕事についてのご相談です。ただ、その方と電話で話し始めたとたん、ビリビリと雑音が入り、声が良く聞き取れなくなりました。そのうち私が何度「もしもし」と呼び掛けても相手の返事は聞こえなくなり、電話は切れました。そんなことが何回か続いたのです。
相手の方はびっくりして「おかしいですね」と不思議がりました。こういったケースは私が霊の影響を受けている方と話すときにしばしば起こります。
私は仕事のご相談にお答えした後、その方に霊の影響を受けていることをゆっくりと説明しました。私には電話の向こうに老人の不浄霊がいて、その不浄霊が電話の妨害をしている様子がはっきりと見えました。
その時です。何か食べ物が腐ったような異様な匂いに包まれ私は思わずむせ返りました。こういったことも不浄霊の妨害行為の一つとして良く起こります。ただ、その嫌な匂いは私の周りに漂っているのではなく、明らかに私の後ろから私の後頭部へ向けて吹きかけられているのです。意を決して後ろを振り返ると、ガリガリに痩せた老人が私を恨めしそうに睨みつけながら真後ろに立っていたのです。
血の気の失せた顔は青白いというよりも緑色をしています。腐敗が進んだ遺体は緑色に変色するといいますので、この老人は死後何年も経ってから発見されたか、現在も発見されずにどこかに埋められているのかもしれません。
霊は肉体を持ちません。普通の物質とは違います。そのためどれだけ距離が離れていても一瞬で移動することができます。この電話は九州からのものでしたが、今電話で話している相手の後ろに感じていた霊が、一瞬で東京にいる私の真後ろにやってくるのです。