私は今までに少なく見積もっても述べ1万件以上の相談に応じてきました。その中で恋愛や結婚についてのご相談は最も多いように感じます。一言で“恋愛や結婚”と言っても、そのスタンスは大きく2つに分かれます。出会いについてのご相談と、お付き合いをしている相手との未来についてのご相談です。

 

この2つはまったく別々の視点から観ています。「どうやってお付き合いを始めるのか」と「どうやってお付き合いを続けていくのか」は、まったく違う問題です。したがって私はそれぞれ別々の視点から観て判断しています。今回はその中で“お二人がこれからお付き合いをスムーズに継続していくことができるのかどうか。私がそれを判断する上で何を基準にしているのかお伝えします。

 

私はこのご相談を受けた時には、次の3点を判断して回答しています。まず第1はお二人の間の“ご縁”がどれくらいあるのかを観ます。縁という言葉はよく遣いますが、縁とは何かというと具体的には“偶然とタイミング”です。これはどちらも自分の行動(努力)で良くすることができないものです。縁があるということは、偶然とタイミングが二人の関係が継続する方に働きかけているということです。縁がないということは逆の方向へ偶然とタイミングが作用しているということです。たとえば、どれだけ仲の良い二人でも、絶対に喧嘩をすることがあります。そして二人がしばらく離れてしまったとしても、ご縁があれば必ずどこかで偶然に再会したり、友人がたまたま間に入ってくれて、仲直りをすることもできます。ご縁がなければデートの約束をした日に限って残業を言いつけられたり、トラブルに巻き込まれて会うことができずに、二人の距離が離れてしまうこともあります。つまり人智を超えたところで作用する“ご縁”は、二人の関係を継続する上でとても重要なのです。

 

次にポイントとになるのは、“波長”です。よく、あなたとは波長が合うとか合わないという言葉がありますが、人はそれぞれが指紋と同じように別個の周波数のようなもの(=波長)を持っています。波長はその人の考え方ではなく感じ方を決めるものです。考え方は時間の経過とともに変わっていくものですし、変えていくこともできますが、波長は生涯変わることがありませんし、変えることができません。波長が近ければ感じ方が似ていることになりますので、同じものを見たり、同じものを食べたり、同じ音楽を聴いたときに、同じように良し悪しを感じることができます。波長が合わないと自分が良いと感じたものを相手は良いとは感じません。したがってどこがどう良いのかを相手に説明しなかれば、相手はその良さを理解できません。したがってスムーズに会話をしてスムーズに付き合っていくことができないのです。

 

最後に3つ目のポイントは二人の“人生観”です。恋愛関係を継続するために、人生観が一致、或いは近いこともとても大切です。極端な例を挙げれば、世の中には“暴力団”という組織があります。そしてこの組織に所属している男性は現実に何万人もいて、その中の多くの男性には配偶者がいます。言うまでもなく、反社会的勢力である暴力団は、普通は忌み嫌われる組織であり、身内の人間が暴力団員と結婚することに賛成する人はいません。ただ、現実には暴力団員を“格好いい”と感じ、その妻になることを求める女性もいて、暴力団員との結婚生活を幸せだと思っている女性もいるわけです。つまり、世間からどのような目を向けられても、当人同士の人生観が一致すると、自分にとっては幸せを感じ、仲良く暮らしていくことはできるのです。

 

私はこの「ご縁」「波長」「人生観の一致」について、二人がどれくらい強く結び付いているのかを判断して背中を押したり軌道修正することを勧めたりしています。

 

皆さんも気になる相手がいる場合、この3点についてどれくらい強く結びついているのかを考えて見られると良いでしょう。